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金属光造形技術を医療分野へ

松浦機械ら「第11回シンポ」

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 金属の積層造形システム(以下金属3DP)を歯科などの医療分野に応用させようと、産学官からなる「金属光造形複合加工医療機器フォーラム」(岡崎義光会長=産総研)が6月10日、金属3DPを開発・発売する松浦機械製作所の東京フォーラムセンター(都内大田区)でシンポジウムを開催した。
 毎年約2回のペースで5年以上開催し11回目となる今回は、金属3DPの活用に向けた具体的取組みが発表された。
 東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターからは、犬の巨大骨の欠損部に、松浦機械製金属3DPで製作したメッシュ構造の金属を埋め込む取組みを、時系列で発表。
 まず「従来のようにグラグラしないよう」、欠損部に完全一致する高精度な金属塊を製作し、これをプレートと一体にしてプレート両端を正常な骨に専用ネジで止める実験を実施。しかし術後に抜去できず、ごく一部でプレートにクラックが生じる課題も分かった。そこで、連結部を持つメッシュ・円柱形状の金属体を、ちょうどクギなしで柱を組み上げる軸組み住宅のように骨に差し込む方法に変えたところ、術後の経過は良好で跛行も自然に収まり、「目的だった社会復帰までの時間短縮を実現できることがわかった」(同大)という。「もう少しで実際の(人の)患者にも応用できそうだ」と成果を得た。
 松浦機械は、第5世代に進化したレーザーと切削加工による自社製金属3DPの新型機についてかいつまんで紹介後、歯科大学からの要請をベースに取り組んだ歯科部品の製作例を伝えた。義歯を安定させるクラスプという歯科部品では、メッシュ形状のサポート材を新たなCAM技術で製作した一方、丈夫な歯に嵌め込む部分を「切削中心に丁寧に作り上げた」(=写真)。同社は「結果には一部不適合があった」と明かし、「ニッパでサポート材を除去する際に精度が狂ったのか、設計時のデータなのか、加工時なのか不具合の原因はまだわからないが、検証を重ね今後修正したい」とした。
 このほか、金属3DPを使った歯科修復物の製作で実績を伸ばす和田精密歯研(大阪市淀川区)や、金属3DPでも採用が進むファイバーレーザーの代表的企業、古河電工から最新の技術情報が発表された。シンポジウム終了後は、会員で懇親会を開き、情報交換を行った。

  • 鳴門屋
  • 株式会社山善

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2017年7月25日号
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