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ロボット導入セミナー、中小企業経営者らにアドバイス

浜松地域推進イノベーション機構

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 「中小企業への効果的なロボット導入方法とは?」をテーマにした産業用ロボット導入セミナーが6月21日、静岡県浜松市のホテルで開催した。主催は(公財)浜松地域推進イノベーション機構。この日はあいにくの集中豪雨に見舞われたが、当初予定「定員70名」の2倍強、150名ほどが参加し、セミナー終了後の名刺交換会では、各講師の前に質問希望者の長い列が続くなど、ロボット利活用やその為のノウハウについて、地元製造業に高い関心のあることが感じられた。
 ロボット導入の効果的な在り方や手順を、モノづくり全体からみて講義したアラキエンジニアリング(浜松市)の荒木弥代表。3次元CADを応用したロボットソフトによるロボット利活用提案で実績のあるリンクウィズ(浜松市)の吹野豪社長。機械加工の現場にロボットを意欲的に導入し、生産性を上げてきた三和ロボティクス(長野県飯田市)の沢宏宣社長の3氏が講演を務めた。

■多品種変量で活きる
 吹野氏から「浜松は全国でも一番ロボットを上手く使う地域です」旨の発言が出るなど、会場には浜松をロボット利用の先進地域として盛り上げようとの熱意があった。
 講演者のうち三和ロボティクスの沢社長は、自社精密加工事業(金属切削)の生産性向上にいかにロボット化が寄与したかを、体験談的に分かりやすく伝えた。
 同社は4、5年前まで「金属ワークの微細エッジ仕上げは手で1日8個しかできない」、「ワークの着脱に現場は大わらわ」など、本業である切削加工以外の関連作業が相当な時間を食っている状況にあった。その対応策として、また個人センスに依存した仕事からの脱却も睨んで「自動化」に取り組んだという。
 沢社長によると、この日の講演で最初に登壇した荒木氏の助言と技術指導をベースにして自動化に取り組み「2013年頃、まずエッジ仕上げの自動化を目指した」。しかし「やってみたらメチャクチャ難しく」(同氏)、方向転換し着脱の自動化を優先して実践。結果、5軸MC3台にバイスチェンジ方式でワーク着脱を行うロボットローディングシステムで24時間稼動を実現。複合加工機とロボットを1対1で連結したケースでは「生産性を8倍に高められた」(同)。
 興味深いのは「年間4000種の図面を提供してもらっている」という多品種変量生産タイプの同社工場で自動化を推進するなか「ロボット化は何より多品種小ロット生産に効果的だとよく分かった」(同)点だ。
 同社工場では頻繁な段取り替えを日常的こなさねばならず「社内でおばけと呼んでいるが、加工が完了しても(次工程に流れず)そのままになってしまっている状態が常にあった。担当者のトイレ、食事、会議、他の機械の調整などでリアルタイムに対応できなかった。逆に言えばその大きな無駄をロボットで省けるメリットが大きかった」(同)と話した。
 主催の浜松地域推進イノベーション機構は引き続き、ロボット、IoT、AIなどの先端技術のセミナーなどを活発に開く構え。今回のセミナーについて講演者の一人である浜松市在住の荒木氏は「全国でロボットセミナーを開いているが、こんなに熱意を感じたのは初めて。浜松からロボット利活用の風を全国に吹かせたい」と話していた。

  • 鳴門屋
  • 株式会社山善

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2017年7月25日号
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