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2017年3月10日号

 稀勢の里が19年ぶりで日本出身の横綱となり、間もなく始まる大相撲春場所(12日~)が盛り上がりそうだ。数年前から「スー女」などと表現された女性相撲ファンも増加中で、国技人気再燃の予感▼その稀勢の里が明治神宮の奉納土俵入りで初披露した型は「雲竜型」だった。攻めと守りを同時に表現する雲竜型は美しいことで知られる。1822年(文政5)生まれの第10代横綱、雲竜久吉が編み出した型だ。実は先日、ひょんなことからこの雲竜の後裔(こうえい)にあたる人物と会い、食事をともにした▼雲竜久吉と同じ福岡県柳川市出身。当人、大人になるまで雲竜の血を引くとは露ほども思ってなかったが、ある時、高齢のおばさんが「祖先にお相撲さんがいてね」と漏らすや、先祖探しをスタート。家系図を作って自分が雲竜の「6親等」にあたると確認したそうだ▼不思議なもので、色々分かるにつれ雲竜への関心が高まり、今では雲竜の相撲絵を集め、図書館や郷土資料館をめぐりその人生を調べることが増えている▼1854年(嘉永7)、前年に黒船でやってきた米国ペリー提督が再来日した際、激しい相撲でアメリカ人を驚かせたその相撲取りの一人が雲竜だったんです、当人は目を丸くして話す。「人はどうつながっているのかわからないものです。歴史が妙に現実感を帯びます」▼先祖なくして今の自分はない。その先祖に思いを馳せ、故人を理解しようとするのは、供養にもなるだろうし、当人にとっても豊かな営みなのだろうと思う。そういえば、もうすぐ春のお彼岸だ。

  • 鳴門屋
  • 株式会社山善

日本物流新聞最新号

2017年7月25日号
6〜7面
CAD/_CAM特集
8〜10面
モノづくりの要所