物流新聞トップへ中小企業の経営継承 -18- 2006年10月10日号 ・1143号・12P

あなたの会社、誰に継がせますか?誰が継ぎますか?







承継





















税理






「経営承継の基本」−事業の将来性を語り合う

シリーズ「中小企業の経営承継」も今回をもって一旦終了となるが、今一度、経営承継についての考え方をまとめておきたい。

会社を誰にどのように引き継がせていくのかということが、今シリーズのテーマであった。従来は、いかに上手く相続税の節税をするか、また遺族の争いごとを防ぐために、いかに上手く遺言書を活用するかということが、あらゆる事業承継対策のテーマの中心であったが(勿論相続税の節税も遺族の争いの防止も、今なお重要なテーマであることに変わらない)、現在では、その会社の後継体制をどのように構築するのかということが最も重要なテーマとして問われている。一昔前では、子供であれば(特に男子であれば)、親の会社を継ぐのは当然のこととされていた。そこには、「家」という概念が浸透しており、その「家」を守るためには、親の会社を継ぐことは至極当然という風潮であった。

■事業の将来性を熱く語る

しかし、現在の社会は、「家」よりも「個人」の価値観を大切にする時代になった。これは、教育制度、市場経済を中心とした社会制度、およびこれらの影響を大きく受けた社会全体の空気が起因していると思われる。したがって、「家」のために親の会社を継ぐというのでは、後継者に強い説得力を持たないのである。また継ぐ人間にとって、会社の事業そのものに継ぐだけの魅力がなければ意味がないのである。即ち、自らの事業の将来展望を自分の子供(後継者)に熱く語ることができるのかということがスタートとなる。一見簡単なことのように思うが、私はこのことが経営承継の基本中の基本と考えている。成り行き任せの経営や将来性のない会社や事業に誰が魅力を感じるだろうか。また一方で様々な事情により、どうしても後継者ができない場合は、M&AやMBO等による第三者への事業譲渡という選択肢もある。

■専門家を上手に使う

幸いにも子供が会社を承継することになったとする。その場合に心がけなければならないことが、今シリーズVol.13、14に掲載されている。Q&A方式ではあるが、重要なポイントが紹介されているので、今一度読み返していただきたい。私は後継者教育とその体制づくりは、現経営者の最大の責務であると考えている。親子で会社と事業の将来について真剣に語り合う、是非、後継者とそのような関係を築いていただきたいものである。

後継体制作りの方針を決定した後の実務上の大きな問題が、遺言ならびに会社法を中心とした法律問題、相続税を中心とした税務問題である。経営承継においては、これらは本質的な問題ではないが、一つ対応を誤ると後々の精神的、経済的な影響は予想を超えて大きい。 そのためにも、これらの問題が生じることが事前に予測される場合は、専門家のアドバイスと検証を定期的に受けることをお勧めする。また、今シリーズVol.15、16、17に、重要なポイントがQ&A形式で掲載されているので参照していただければ幸いである。

最後に現在の、あなたの会社の経営承継の準備チェックをしていただきたい。採点結果が良好な方も、そうでない方も、事業が無事後継者にバトンタッチされ、末永く発展されることを心から祈念している。 (連載は今号で終了します。ご愛読ありがとうございました)