物流新聞トップへビルダー最前線 -21- 2007年1月25日号 ・1149号・28P
バックファイルご案内

株式会社スズコー

代表取締役 岩倉春長 氏
横浜市旭区白根町8−33−6 TEL045−952−3141

通気断熱WB工法で差別化

「次世代比、光熱費35%減も可能です」

子育ての時こそ住まいが大事。一般の若い方が買える高品質住宅を創業から四半世紀追いかけてきた、と岩倉春長社長。その長年のテーマが、「機械換気に頼らず自然に空気をキレイにする仕組みとして、大臣認定もされた通気断熱WB工法」により、集大成をみた。オール電化とのセットなら次世代省エネ住宅比35%も光熱費を低減できる健康住宅が、それも低コストで提供できるという。WB工法で施工実績トップの同社は、現在年間約50棟の受注棟数を3年後3倍増を狙う。

社名スズコー。どこか抵抗感が無いだろうか。○○住宅、××ハウス、△△ホームといったビルダーがほとんどのなかで、同社名には住宅を表す言葉がついていない。これには理由がある。「機器メーカーに対し、住宅会社でなく代理店としてのポジションを取るため」だったそうだ。

代理店ならば住宅部材や機器を住宅会社より安く仕込める。岩倉社長は苦笑しつつ述懐した。「住宅会社より表向き代理店としていた方が優位だ、そう25年前の創業時に考えたんです。よそ(業者)に売れなくとも施主を増やして販売額で帳尻があえば、代理店の責を果たせるじゃないかと。まあ無謀な考えではありましたけどね」。

そこまで考えを巡らしたのは「高品質な住まいを安く提供する。住宅は、若い人が子育ての早い時期に必要なものじゃないか」―が、そもそも創業する動機だったからだ。ひば、桧造りの高級住宅を手掛けもするが、基本的には「丈夫で長持ち」「性能が良くて低コスト」を追いかける。

住宅部品3万点のムダ・ムラ・ムリの削減に努め、10年と少し前には坪48万円の住宅を36万円まで下げたこともあった。「地域の反響と、業界からのクレームが同時に殺到した」そうだ。その後、良い家を安く、を目指すアキュラホーム(埼玉県)の全国最大のビルダーネットワークに参画、会員企業の中で坪21万円の住宅を全国で最も建設・販売した1の実績も持つ。

●WB工法で第2創業へ

そんな同社がいま最も強みとするのが通気断熱WB工法だ。同工法は、室内の湿気を外へ放出する透質壁を設け、いわば壁が皮膚呼吸できるようにしたことが最大のポイント。また透質壁と断熱材の間には通気層を設けており、室内の湿気や臭い、揮発した化学物質などはこの通気層を通って屋根上へ排出される。

さらに形状記憶合金を用い、通気層の先の換気口を温度状況によって自動開閉させる。温度の高い夏は換気口が開いて熱を逃がし、冬場は閉じて通気層が保温層の役割を果たす(冬モード・夏モードに自動切り替え)。この工法は長野県のウッドビルド社が考案、現在全国500社以上が同工法を取り入れているが、累積建築棟数ではスズコーが全国トップであり、スズコーは普及活動の先頭にも立っている。

WB工法について岩倉社長は「ノーベル賞ものの開発」とさえ言う。「住宅業界は高気密・高断熱で走ってきたが、断熱といっても実は熱の完全遮断じゃなく、熱の移動時間を遅くさせているだけの側面が強い。このため暑い日が続くと夏場は室内に熱気がこもる。一方で閉じたままの高気密住宅では蒸れて腐りが生じ家の寿命がどうしても短くなる。高気密高断熱は不自然な潜水艦のような家でもあった。が、どこかで否定したくても、解決策を見出せなかったのが今までじゃなかったか」岩倉社長は最後の方の言葉を強くした。

それが通気断熱WB工法で変わると言うのだ 昨年8月11日にはビッグニュースも入った。現在の住宅は「24時間機械換気」が義務付けられ、事実上、相当の隙間面積がない限り例外は認められないが、そうしたなかで自然な通気構造を持つWB工法が国交省大臣の認定を得たのだ。機械換気に頼らないでよい工法は、目下のところWB工法以外にない。

同社では独自の合理化システムにWB工法を取り入れたオリジナル工法を展開中。次世代省エネ住宅よりも割安の建築コストで「高品質住宅が提供できる」とする。((財)日本住宅・木材技術センターより合理化認定取得済み)ちなみに同社の施主に依頼した調べで、WBオリジナル工法+オール電化によって「次世代省エネ住宅より光熱費を約35%抑えられることが分かった」とも。「だから地球環境問題を考えるとWB工法はノーベル賞ものだといっていいのでは」。―今年は攻勢をかける年になりそうだ。

(写真説明:(右)一般生活者が買える高性能住宅が創業来のテーマ。写真はWB工法による住宅「ピュアリー」
(左)住宅展示場ではWB工法のメカニズムを模型を通じ詳しく紹介する。同工法と独自の合理化工法をマッチさせ、今年以降、受注棟数の拡大を狙う。)