株式会社 旭ハウジング
代表取締役社長 中倉 孝博 氏横浜市青葉区新石川2-3-8、TEL045-910-2411
純和風住宅の「説得力」、データで提示
気候風土にあう、三河材と土壁の家
アッパーミドルにマッチする「ブランド」で勝負
リノベーション事業もスタート
首都圏の「住みたい沿線アンケート」で常に上位に入る東急田園都市線。なかでも「たまプラーザ」(横浜市青葉区)は、神奈川県の住みたい街ランキングで1位(05年、雑誌「横浜ウォーカー」)となるなど超人気地区。当然、住宅激戦地・神奈川のなかでも、このエリアはビルダー間の競争がとびきり厳しいと聞く。 そんな「たまプラーザ」に本拠を構え分譲住宅を提供、安定した業績を示してきたのが旭ハウジングだ。パワービルダーのスケール力に対し、同社はマーティング、信頼性、デザイン…を磨き地域での競争力を高めた。
「たまプラーザ」は、かつての人気TV「金曜日の妻たちへ」の舞台ともなった「おしゃれな街」として知られる。高級外車の保有率や私立中学への進学率が高く、ハイエンド、アッパーミドルの住民が多い。 旭ハウジングはこの街を中心に、横浜市北部、川崎市北部、また東京都の一部で新築分譲を手掛ける。創業1988年。近年の実績は80〜100棟で安定している。ちなみに平均売価は土地付きで5000万円強だそうだ。
住宅激戦区を生き抜いてきたのは、情報収集力とマーケティング、そしてそれらを活かした品質、デザイン性にあるという。 「(施主との打ち合わせを経て作る)注文住宅と違って、分譲は完成品次第です。だから事前調査を徹底して行なってまずお客様を想定し、その上で街並みとのバランスを考え、現場ごとにコンセプトを立てて具体的な設計に入ります」。そう、一昨年秋から経営を舵取る2代目の中倉孝博社長が切り出した。

「大事なのはこの時点で読みを見誤らないことですね。また、目の肥えたお客様が多いので、高品質であることはもちろん、外観から内装までデザインが鍵になる。標準の住宅シリーズを展開していますが、マーケティング結果をもとに細部は常に見直しています。この地区は安いだけでは買ってもらえない反面、優れたものはキッチリ評価していただけるんです」。
一般に分譲系は土地の仕入れから販売・回収までの「回転率」が経営上のポイントとされるが、同社は「回転率は大手の分譲住宅メーカーに比べ良くない」と打ちあける。土地手当て後、どんなコンセプトで住まいを作るか、場合によって時間を惜しまない。 「企画と設計が命」という同社では04年秋にデザインスタジオを開設した。若手のデザイナー、一級建築士ほか外部からもデザイナーを招聘し住宅デザインを追いかけている。
デザインセンターが設計面で伸び伸びと理想を追う一方、営業はコスト面などで厳しい要求をつきつける。社長以下、若い社員が多いこともあるのか、意見交換は「非常にフランク」とか。時にどちらも譲らない「侃々諤々(かんかんがくがく)」が続くこともあるという。 中倉社長は「そのあたりでバランスを取っていくのが私の重要な仕事。若いゆえの発想力、チャレンジ精神で、こうしたい、ああしたいを伸ばしていく。最後は私が間にはいって落とし込むべきところに落とし込むんです」と笑顔で話した
。●リノベーション事業、本格始動
同社は、地域の販売業者を介して住宅を提供しており、「仲介業者さんからの信頼を高めることも経営の要諦」という。つまり「旭ハウジングの住宅なら安心して売れる」との評判を確たるものにする、が上位の経営課題だ。 中倉社長は「地域に根づく、信頼されるが大きなテーマですが、そのあたりは自信がある」といい、「信頼されるからこそ土地情報などもいち早くキャッチできる。今後も地域に特化するなかで存在感を出していきたい」と口元を締めた。
ただ、分譲を主体とする同社にとって、思うように土地手当てができない環境になりつつあることも確か。冒頭述べたように営業エリアは人気の住宅地、宅地開発の余地は自ずと少なくなる。 そこで新たに手掛けるのがリノベーション事業だ。
古い住宅を改修・リニューアルし、新しい価値を創造する。「人口流入が続く一方、住み替え希望を持つ方も多い地区だけに、やりようによっては将来、経営の柱の一つに育つ」と中倉社長は睨む。リニューアル事業は既に動きだしているが、グランドデザインを固め、今年4、5月から本格稼動させたいとしていた。創業から約20年、初期の物件はリフォーム適齢期を迎えており、中倉社長は事業内容の多角化も見据える。
写真=上、「分譲は完成品次第」と中倉社長。高級感のある洗練されたデザインを追いかける(2棟分譲地で) 下、和室と庭の眺め。アールの天井も印象的
