物流新聞トップへビルダー最前線 -25- 2007年3月30日号 ・1153号・40P
バックファイルご案内

株式会社 夢ハウス

代表取締役 赤塚 幹夫 氏
新潟県北蒲原郡聖籠町大字三賀288 TEL0254-21-5511

独自の乾燥機で含水率5%までを実現

反らない割れない、本物の無垢の家を提供

 朝、7時前。従業員総出で、海外や国内から搬送されてきた木材の桟積み作業を行う。暑い真夏も雨の日も雪の日も。
「額に汗して材料に触れなければ、本物の良さはわからない。良さがわからなければ、本気でお客様にお奨めできない」。夢ハウスの赤塚社長は言う。ものづくりへの信念がそこにある。
赤塚社長は高校卒業後、大工の道に入ってから徹底して本物を追求して来た。その情熱は、独力で木材乾燥機も開発してしまうほど。赤塚社長の開発した乾燥機「ドライランバー」は、他の乾燥機ではどうしても残留してしまっていた木の細胞内の水分も乾燥させ、無垢の家づくりで課題となってきた反りや割れの原因を取り除き、強度を飛躍的にアップできるのが特長だ。
「ドライランバー」にかけた木材の含水率は5〜10%にまで自在に下がり、冷暖房で乾燥する室内にあっても、収縮と変形をしにくいレベルに達する。通常の乾燥機なら2週間以上かかるところを3日で乾燥させるため、コストダウンも実現。木材について最先端の研究を重ねる大学教授陣もこの機械の威力に驚きを隠せないが、「本気で追求すれば、わかること」と、赤塚社長はいともたやすく言ってのける。この「ドライランバー」は大手住設建材メーカーや材木店でも採用され、現在、全国80台が稼動しているそうだ。
13年前、「東新工務」時代に年間売上高5億円だった企業が、06年度にはグループ売上高140億円にまで成長した。一体どんなマジックを使ったのか。
謎解きにとモデルハウスをみて、驚きを与えられてしまった。防虫効果のあるヒバは床下に、通気性・保温効果に優れる桐は床に、曲げ強度の高いベイマツは梁にと適材適所、ふんだんに使われている。「木材の使用量はおおむね、無垢材の家を同額で提供する他社の住宅の3倍」(赤塚社長)。一般的には新建材の5〜10倍の価格になる無垢材を多用しダイナミックな吹き抜けを構成するこの空間で坪65万円程度は破格値と言えるだろう。
「コストダウン策の要は山林の買付け・伐採から製材、プレカット、パネル加工、家具生産、生コンクリート製造までにわたる徹底した自社グループ一貫生産」と赤塚社長は言う。95年には北米に提携工場、ベトナムでオリジナル家具生産をてがける東新林業を設立するなど、活動の場は国内外に広がった。
夢ハウスを設立したのは96年。大量買付けによるスケールメリットを活かすため、そして「良い家を日本中に」の信念のもと材料とノウハウを提供するVC(ボランタリーチェーン)展開も始めた。こうした夢ハウスの事業展開はオリジナル商品開発によるコストダウン手法などが大きく注目され、03年、国土交通省の「地域における先導的・革新的モデル事業」にも選ばれた。さらに04年、ロシアに製材・プレカットを行う合弁会社を設立し日本の大手商社にも販売をはじめるなど活動は活発だ。
営業専任者の数は他社と比較し極めて少なく、基本的に見込み客は追わない方針。その代わり、モデルハウスでは集成材と比較した結露・温度差の実験、測定器を使った無垢材の電磁波防御性能実験など体感的な納得を得られやすい工夫がされており、こうした施主自身の納得が、トラブルのない受注につながっている。
また紹介率も50%以上と高率。創業以来続く、「建ててからの付き合いの中身を徹底して大事にする」赤塚社長の方針が生きた。点検や修理体制の充実はもちろん、育成林の伐採体験会、森林ウォークなど自然とふれあう企画を実施。さらにOB客が構成する夢ハウス友の会のために、山荘、バス、キャンピングカー、バイク、カヤックなどを用意してOB客の好みに応じた形で交流を深めるなど、とことん楽しませ大事にする姿勢はOB客にも通じており、年1回開催される「夢ハウス感謝祭」には昨年、3000人もの来場者が集まった。
今後について赤塚社長に聞くと「県内でこれ以上棟数を追いかけるつもりはなく、一人ひとりのお客様を大事にしたい。VCではパートナーとなる企業の育成をより充実させ、日本全国に本物の木を使った本物の家を広めていきたい」と話した。

〔写真説明:ドライランバー内部〕