物流新聞トップへ挑む!加工現場 -36- 2007年4月10日号 ・1154号・12P
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タワーインフェルノ

「タワーリング・インフェルノ」

1974年 ジョン・ギラーミン監督

高層ビルの技術と人災

我が国は自然災害と戦っている。台風・寒波・水不足に加え、最近は竜巻被害も目にする。最も怖いのは地震だろう。
  三十郎の小さな木造建築の家が5年目を迎えたので家屋診断(耐震)を依頼したところ、耐えられるとのこと。多少安心している。
  地震対策の歴史を調べると江戸時代から施されていた。大名屋敷内に地震避難用の小規模建物があった。京都御所の泉殿、彦根城内楽々園の地震の間。何れも5坪程度で床下距離を抑え、即ち重心を低くしてある。関東大震災(1923年)では3〜4階建ての低層ビルが耐え、高層ビル(当時は8〜9階建て)に被害甚大とある。重心低く建てるのが常識だった。
  1963年、建築基準法が改正され、従来の高さ制限31メートルが外され、68年に動的設計法を用いた本格的高層ビル(霞ヶ関三井ビル、36階、147b)が完成している。材料・工法・クレーン類の性能向上によるところも大きいが、何より鳶職人の方々の技能と勇気に深謝すべきであろう。
70年世界貿易センタービル(40階、512メートル)、76年池袋サンシャイン(60階、226メートル)、90年東京都庁(48階、242メートル)、93年横浜ランドマークタワー(70階、262メートル)と続くが、三十郎は何れのビルも訪れている。
  近年はビル用の免震装置(ビルの基礎部に装置を埋め込む方式や、水の浮力を利用した浮体式もある。貯留水は非常用に利用可とある)、更に情報化社会のニーズから心臓部であるコンピューター室の二重床工法も取り入れられてきた。
  高層ビル映画といえば「タワーリング・インフェルノ」(1974年、ジョン・ギラーミン監督)。サンフランシスコに138階建てのグラスタワーが完成する。落成パーティーの最中に81階倉庫から出火する。原因は親族が手配した電線工事の手抜き。ビル設計者のポール・ニューマンと消防隊長に扮したスティーブ・マックイーンが活躍していた。
  紅海が真二つに割れるシーンで有名な「十戒」(1923年、セシル・B・デミル監督)は古代編と現代編がある。現代編では建築家で親孝行の兄、利己主義の弟が登場し、弟の手抜き工事で完成した教会が大音響(サイレント映画だが画像から想像できる)と共に崩壊する。
  現代でもホテルやマンション工事に手抜き・鉄骨抜きがあり世間を騒がせている。
  技術が発達しようにも、モノづくりの心、使命感を失っていては悲劇が繰り返される。