物流新聞トップへビルダー最前線 -27- 2007年4月25号 ・1155号・10P
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株式会社 サティスホーム

代表取締役社長 小林 克之 氏
三重県四日市市ときわ4丁目10-19 TEL.059-351-1376

生産性の高さ、全国ビルダー2位

「行列ができる」ローコスト工務店

サティスホーム見学会

創業して7期目になる06年9月期の受注棟数は130棟。5年前の6倍以上に実績を伸ばした。本社と中勢支店を置く三重県北・中勢地区はプレハブシェア27%と、全国でも5指に入るほどハウスメーカーの勢力が強く、さらにローコストチェーンもひしめきあう激戦区。一気に頭角を現しはじめた同社の注目度は高い。
「行列のできる工務店」として知名度はいまや全国区でもある。オプション・消費税込みで坪単価33.8万円からの木造軸組み注文住宅「コミコミ住宅」が団塊ジュニア層を中心に好評を博しているが、小林社長曰く、「売れる最大の秘訣は『人』」だ。

 

1月の土日に開催された現場見学会の一般参加者はなんと約225組。全国に轟く「行列のできる工務店」の異名は伊達ではない。スタッフと遊ぶ子どもたちの笑顔あり、焼もろこしを手にはしゃぐ大人の姿あり。なぜか、力士の着ぐるみを着た人あり(いい家にすもうの意で、施工業者が扮装してくれるのだとか)…底抜けに明るい。
  この見学会参加者のうち商談に入ったのは約40組に上った。会を取り仕切った中勢営業所の久保敦所長によれば「見学会でお話した2時間後に契約された方もいます。逆に5年間ずっとお付き合いして、『そろそろ契約の話をしないといけないんじゃないの?』とお客様から言われることも少なくない」。
  3名いる営業マン全員がこんな調子で、特に売り込みをせず自然に月間3〜4棟の受注をあげるというから驚きだ。従業員10名、パート含め15名の少数精鋭主義。生産性の高さの指標である従業員1人あたりの平均建設棟数で見ても年間8棟と、メーカー以外の全国低層住宅建設会社のうち全国2位にランク(住宅産業研究所調べ)される。
  なぜ、それほど生産性が高いのか。小林社長によれば「営業マンは歩合制ではないし、こちらから契約の話をほとんどしない。むしろ見学会で売り込んだらクビ、お客様の求めない訪問営業も禁止しています。言うなれば、現場監督も設計の女の子も、お客様に喜んでもらえることが、生き方として馴染んでいる人がそろっているのが強み」。
  クリスマスにはスタッフがサンタクロースになり、OB客の家をまわる。「お子さんたちが喜んでくれるから嬉しくて。やめられない」(久保所長)。逆に、バレンタインデーにはスタッフの机にOB客からのチョコが山積みに。また、「自分の家も支店と同じ。住まいもすべて公開しています」(小林社長)と、スタッフ全員が公私を問わず顧客の相談に乗る。「サティスさんがまるで親戚になったみたいです」―HP上に載せられた声は、地元密着を貫く同社の姿勢を象徴するかに思える。

 

原価率を高める省コスト策


 プランでは坪単価33・8万円からの「コミコミ住宅」が人気。37坪の住宅なら約1280万円で、照明から屋外付帯設備、建築確認保険まですべてが「込み」だ。同等坪数で本体価格だけで1350万円を掲げる一般ハウスメーカーと比較すると、オプションなども含めた価格差は約600万円以上にもなり、お値打ち感が強い。
  また公庫融資基準の1・3倍の強度を見込む木材使用量、通常と比較して3割増の梁、ボルト本数の多さ、施工の丁寧さなど高度な品質を見込まれ、不動産業者や施工業者などからの紹介も多いのだという。
  「ハイコストになっている部分を徹底して省くのが『ローコスト』の真意。安い住宅の意味ではない。今の時代はローコスト化する努力をさける企業にお客様は来て下さらない」と小林社長は言う。これが創業当初から続く信念で、具体的には  1.モデルハウスやカタログをもたない 2.手形決済なしの現金払い、無借金経営により金融経費をかけない 3.メーカーからの直仕入れにより中間マージンを省く―などのほか、事務所も借家、車も個人所有などで固定経費をとことん省き、「お客様の建築資金を極限まで現場に残すように」(小林社長)家づくりの原価率を高めてきた。
  これまでには、ローコストを追求するべくジャーブネットに加盟。品確法における主要6項目で最高等級を達成しつつ坪単価を抑える同ネットのアキュラシステムを導入し、さらに長野県・エルハウスが主導するローコスト住宅研究会にも参加。現在、サティスホームの創業会長である廣田康之氏は研究会の中核メンバーとしてセミナー活動などを行うほか、ローコストの極意を学びにサティスに全国から工務店が勉強しに来る。
  今後の展開について聞くと、「メンテナンス主体の支店ならば出そうかと考えている」とか。「長い目で見れば三重県一番の会社を目指したいが、まず、お客様に近いところでアフターサービスをきっちりできることが先決。販売目的の支店は今のところ出す計画はない」。
  「僕は三重県で生まれて三重県で育った。ここに骨をうずめる覚悟で地域の人たちとつながっていきたい」。とことん地域密着の姿勢がファンを集めている。(写真説明:見学会は構造・完成時に行われ、コスト削減や耐震強度確保などのポイント説明はパネル展示が中心。営業マンの「しつこい」売り込みがない。)