最高級車の部品など先端領域で複合加工 |
彩巧精機[切削加工] 埼玉県羽生市 |
脱サラで始めた部品加工会社は今年で満30年、創業者の岡戸敬臣社長は「ひとつの区切りにしたかった」と話す。「区切り」の今年、同社は過去30年の集大成を示すように大きく動いた。羽生市で1500坪の土地を購入して新工場を竣工。同時に社名も「彩巧精機」に変えた。「彩の国、埼玉県で巧みにモノを作る」―そう決意を込めたものだ。 現在社員は27名。順調に会社を伸ばせた背景は、「意欲的な設備投資と、恵まれた人間関係にあった」という。 創業の1978年といえば、まだ新規に生産される工作機械の8割近くが非NCだったが、社長は当初からNCにこだわって設備した。その後も、NLシリーズなど森精機製を中心に「ほぼ毎年1台ずつNC機を導入」、その結果、今はちょうどはかったように計30台のNC機とMCが工場に並ぶ。「高精度な部品をコンピュータ制御して高効率に作る。そういう時代になるとの確信がありました」と岡戸社長。現在は単品加工から5000個程度の量産ものまで月間約4000種もの部品を加工するが、生産管理体制を整え、図面入手から加工、3次元測定検査、出荷までを遅滞なく流せているという。 人との出会いも活かした。銀行、得意先、人材の増強…たまたま学生時代の先輩がいるといった運にも恵まれたが、その運を素通りさせないことが仕事量を増やし、会社の足腰を強くすることになった。「我慢強いというか、しつこいというか (笑)、そういう私の性格がいきた面もありますね。信頼関係はとりわけ重視しています」。 高難易度の複合加工に挑む 同社では切削加工に特化しており、構成は自動車部品6割、建機・電機3割、医療その他で1割という内容。2次ないし3次のサプライヤーになるが、超高級車向けアクチュエータ関連部品や、ハイブリッド車のモータ周辺の機能部品など、最先端の部品加工が多い。 独自の工夫を加味することで差別化もはかっている。一例として径200_の焼入れ鋼を厚さ4_、薄い幅のリング状に削り出す仕事があるが、NC複合機を使ったワンチャッキングでリングの表裏、また内外径の仕上げ加工までをこなす。マシンには独自の治具がすえつけてあった。 社内研鑽、社員教育も熱心だ。大手部品加工メーカーから品質管理に長けた人材を招いて3年前に品質ISOの認証を取得、現在は現場のコミュニケーションを深める教育ほか、社内提案制度を設け、事業の改善につながる優れた提案とその社員を月次・年次で表彰している。 また、新事業として、パイプ椅子の足に装着して床面に傷をつけないようにした樹脂製の開発商品を製作販売、一定の成果を上げだした。 「近い将来は500個程度のロットもので、高難易度の部品を複合加工するような方向を考えています。そうやって差別化を図り、自動車でも電機でも関連する部品の加工をすべて任せられる、顧客にとって信頼の高い存在になりたいですね」(岡戸社長)。 後継者も育っており、30年の区切りを経て、新社名にふさわしい事業の躍進を誓う。 |


脱サラで始めた部品加工会社は今年で満30年、創業者の岡戸敬臣社長は「ひとつの区切りにしたかった」と話す。