スターホーム株式会社
代表取締役 星 武司 氏
神奈川県横須賀市森崎1-17-16、TEL.046-834-5555
リゾート地、逗子・葉山に多様な住宅
第3の創業、総合力を高めて勝負

スターホーム。この住宅会社を手早く知りたいなら同社の「施工実例集」を眺めればいい。外観デザイン、インテリアとも自由な発想がみなぎり、一つひとつの住宅が個性を豊かに主張している。自然素材を使ったモダン系もあればトラディショナルタイプもあり、デザイン性の高さと多様性が特徴だ。同社の営業エリアは全国有数のリゾート地「葉山」、「逗子」が中心であり、手掛ける住宅は、リゾートの街並みにうまくフィットするようでもある。 が、星社長は「外観だけではだめ」を繰り返す。性能、アフター、迅速な顧客対応…総合力で勝負すべきだし、それが可能になったのが今だという。
スターホームの設立は1996年。当時、星工務店を30年間経営していた現社長の父親が、米国へ住宅視察に出かけたのがきっかけだった。 「米国に行った父が日本の住宅のまずしさを痛感、帰国後、スターホームという別会社を起し」(現・星武司社長)、デザインや空間設計に優れた輸入住宅を建築することにしたのだ。 やがて、地元の横須賀ではトップの輸入住宅メーカーとして知られるようになった。が、「内情はひどかった」そう星社長は正直に打ち明ける。
試行錯誤を経た人材づくり
「クレームの嵐でしたね。メンテナンスも顧客サービスもなってなかった。悪い意味で職人気質というか、作り手の事情を顧客に押し付けていた面もあった。家業から企業へ脱皮しなければという、その一念でいっぱいでしたね当時は」。 星社長がゼネコンを辞め「家業」のスターホームに入社したのは2000年。最初の3年間は一日も休みを取らず顧客満足(CS)を追求、顧客第一の考えを持てない社員は徹底的に責め立てもしたという。 結果、対顧客ではある程度満足できる形になったが、社員が働く場としての会社の魅力は乏しいものになった。 星社長はいう。「その頃でした。自分を無くして限界までCSを追求するなか壁にぶちあたった、行き詰まって組織に疲弊も感じるようにもなった。そんなある時、会社は社員のためのものじゃないか、そう考えを変えることに決めたのです。これが結果として今につながっています」。 社員のための会社を作る―。経営の転換は吉と出た。2年ほど前からは優秀な人材が次々入社した。現場施工管理のプロ、ハウスメーカーの腕利き営業マン、実践を積んだ一級建築士、リフォーム事業をマネジメントできる人材…。大手デペロッパーで辣腕をふるったマネージャーも入社した。多くは社長自らが口説いての入社組だった。 会社は本当の意味で大きく変わったという。伸びやかな発想の元で事業を広げ、昨年には逗子にデザインスタジオをオープン、今年4月には本社内に輸入雑貨ショップも設けた。「街並みに溶け込み、使い込むほど味わいを増す」をコンセプトにした集合住宅作りにも乗り出した。流れが明らかに変わった。 「人材ほか投資が重なり、実際のところ今は利益面で踊り場を迎えています。が、これでやっとスタートラインに立てたと思っています。クレーム対応に追われた時期、その反省からCSだけを追った時代。そういう意味で今は第3の創業期だと思っています」そう星社長は言う。 住宅をコーディネートする 現在の事業は注文住宅が9割、リフォームが1割。住宅の多くは、いわゆる輸入住宅だが、部材などの輸入比率は決して高くない。 「輸入という言葉にとらわれず、世界中から優れた住宅部材を選び、性能、価格、デザインのバランスをみながら当社でコーディネートしていく姿勢です。その結果、設備系は実は大半が国産品なんです」。 外観や室内空間のデザインが魅力的な同社だが、「人気のデザインは変わる」とシビアにみる。「古くなっても色あせないデザイン」を追いつつも、顧客に向かってはデザインよりむしろ、住宅の基本性能の高さをアピールする。高断熱高気密、自然素材、基礎の確かさ…。HPの情報発信内容もこちらが中心だ。建築現場にWEBカメラを据え付け、家ができるまでの映像を発信するといったキメ細かな顧客対応も図っている。このあたりが「総合力で戦える会社になれた」というところか。 売上高をエリア別でみると、逗子・葉山が大半の7割近くを占める。顧客は30〜45歳、都内に通勤し、週末はサーフィンを楽しむといった「人生を主体的に、ハッピーに生きようとする方が多い」(星社長)そうだ。 そんな施主向けに「珪藻土の塗り壁教室」を実施、自分の家の一部を自分の手で作ってもらうというユニークな取組みも行なっている。 前期の売上は約6・2億円、これを数年後に10億円まで上げることが当面の目標という。
