「船の進水式」
仏 ルイ・リュミエール
船の歴史―パピルス船からタンカーまで
大好きな船について語りたい。船の歴史は6000年以上を数える。古代エジプト・ナイル川をパピルスを重ねた筏(いかだ)が走り、やがて紀元前4000年頃帆が出現して「航海」が始まった。紀元前2500年頃にはオールが登場、最古の大型木造船はクフ王のピラミッドから出土したもので全長43mあった。
これ以降もずっと「人が動力」の時代が続いたわけだが、1543年に外輪を蒸気で駆動させる試験走行が成功、1802年、米国発明家ジョン・スチーブンスがプロペラを蒸気で駆動させる方式を生み、本格的な機械動力時代の幕開けとなった。
三十郎が経験したのは1970年代、長崎造船所勤務時のオイルタンカー建造である。船の自動化計装が始まった頃であり、また環境汚染防止から船体二重構造も計画された。
歴史に残る船の映画は『船の進水式』(1896年、ルイ・リュミエール製作)。大きな船体が海に移動していく光景を、奥行きのある画面で最初に写した作品だった。
『キートンの蒸気船』(1928年)も忘れ難い。台風の中での撮影が凄い。巨大な壁が頭上に崩れ落ちるなか、小窓からすり抜けるバスターキートンの姿を思い出す方も多いのでは?
ずっと前に本稿で船の思い出を記載したが、三十郎と船の付き合いは長い。幼い頃、福岡県柳川市内町内会バス旅行で佐賀県唐津市のシーサイドホテルを幾度か訪れた。ある時、年長者とボートに乗り沖合で海に飛び込んだのだが。気づくとボートは潮に流され小さくなっていた。ボートを追うか岸へ1キロ泳ぐか究極の選択を迫られた。夢中でボートを追って泳いだ記憶がある。よく助かったものだ。このとき、もし映画ジョーズが既に公開されていたならば、沖合を単独で泳ぐことはしなかったであろう…。
最近の船との付き合いは10年前に、井の頭公園のボートに娘と乗ったきりである。寂しい。
