物流新聞トップへビルダー最前線 -34- 2007年8月10日号 ・1162・12P
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泉北ホーム株式会社

代表取締役 山本 隆 氏
大阪府堺市深井中町3211、TEL072-270-5055

2×4の3階建て着工数、大阪ナンバー1

標準施工の充実で、紹介率70%に

住宅 泉北ホーム

大手が手を出せない都市部狭小住宅地に特化することで、大阪市場で特に多い3階建ての需要確保に成功した泉北ホーム。05年度には、2×4工法3階建ての年間着工数で大阪府下ナンバー1(住宅産業研究所調べ)を達成し、06年度の建築棟数は約250棟を記録した。独自のコスト削減努力により、最先端エコ設備のほか、人気システムキッチン・バス、カーテン、最新照明設備までが標準仕様の3階建て住宅で1281万円(25.54坪)〜というリーズナブルな建築費用も実現。防音・耐震性をさらに高めた「標準施工」などもOB客の評判を高め、紹介率は70%にもなるほどで、建替層を中心に益々人気を高めている。

巨大なガラス張りビルの中に3階建て住宅が、すっぽり。あまりのスケールの大きさに目を疑いそうになる。6月末にオープンした泉北ホーム新本社の「家づくりギャラリー」だ。


モデルハウスとギャラリーは1、2階を自由に行き来できるようになっており、現物大の家と標準仕様品を一挙に確認できる仕組み。ギャラリー奥には、間接照明を凝らした和モダンの居間(写真)、高級ホテルのバーをイメージしたLDK…と、理想の住まいイメージをどんどん膨らませるモデルプランがあり、1階に降りれば躯体・床下構造など「安心・安全」の部分までチェックできる。

実はこのギャラリーは、大阪南支店の熊崎貴浩支店長中心に「お客様の動線、興味を考え抜かれて作られたもの」(同)で、クロージング率アップにも貢献しているのだとか。山本隆社長は「他社がやらないことでも、お客様が喜ぶことなら、まず挑戦してみろ、というのがうちのモットー。『即断即決』の発想が、ビジネスには不可欠です」と言う。

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「即断即決」は、同社の主力プランである「狭小地3階建て住宅」も産んだ。 泉北ホームが建売住宅事業をスタートしたのは平成2年。歴史が浅く、「宣伝力、量産力、規格力に優れる大手ハウスメーカーや、地元業者に対抗するには、ニッチ市場に特化するしかない」と山本社長は、都心部狭小地対応3階建て木造住宅を主力にと「即決」した。

しかし、「2年後には年間100棟を」(山本社長)の声も、当初は「夢物語だ」と揶揄されたという。当時はようやく、構造計算採用により木造3階建て住宅の建築許可が下りることが知られだしたところ。山本社長が「強度・性能アップのため」とこだわって導入した2×4工法も、海外から工法指導員を呼ばねばならないほど建て方が浸透しておらず、「資材管理が難しい上、1軒あたり100万円以上も単価がアップする。採算がとりにくいと、どの業者も手をこまねいていた」(山本社長)からだ。

さらに、狭小地の施工は資材搬入から足場組み、施工、すべてで困難。それでも山本社長は「他社がやらないからこそ、市場が大きい」と狭小地3階建て特化を貫いた。 諸々の難問を乗り切れたのは、1つひとつの工程で起こった問題点やミスのすべてを社員全員で共有化し、解決策を生み出したためだ。コストについても、社長自らが現場掃除をする中で「端材をなくすにはどうすれば?」の疑問から全社を挙げて合理的資材管理を模索しはじめ、最終的には自社工場でのプレカットによる短工期化、完全自社施工による中間マージンカットと信頼性確保を実現したという。

こうした努力の結果、断熱保温システムバスやLow?e複層ガラスなどの最先端エコ設備のほか、カーテン、エアコン、最新照明設備までを標準仕様としつつ、1281万円(25.54坪)?というリーズナブルな建築費用での提供を実現。05年度には、2×4工法3階建ての年間着工数で大阪府下ナンバー1(住宅産業研究所調べ)を達成するまでになった。

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反響が大きかったのは昭和40年代に多く建てられたミニ開発の家だ。連棟建ての分譲住宅などが建替え適齢期を迎えており、泉北独自の「切り離し工法」により、既存部分の耐震性を高めつつ、1棟のみの建て替えを可能にした。 追い風も吹いた。阪神淡路大震災が発生し、2×4工法の家が一棟も倒壊しなかったという実績が知られてから、翌年(96年)には棟数も前年度の約1.5倍となる202棟に。以後、堅調に推移し、06年度は250棟を記録した。

紹介率70%という高比率も特筆に当たるだろう。2×4工法を独自に発展させてきた標準工法がOB客の信頼を高めた結果だった。たとえば、他社ではオプションとなることが多い防音施工も「標準施工」。上層階の床と天井を切り離しつつ防振材を組み込んだ吊り天井により「ドスン」という低音の伝播を防ぐ。さらに4層の床構造により「コツコツ」した高音を防ぐなど、2年の歳月を費やし、工法を編み出したそうだ。

こうした、音やきしみなどの細かなクレームを未然に防ぐ工法を標準化で対応することで、「ノークレームも標準化したい」(山本社長)という。 今後の目標は「1日1棟」。建ぺい率・容積率の縮小傾向から都心部の3階建て需要全体は減りつつあるが、山本社長は「シェアでは減らさない」との意気。「二世帯を中心に2階建て需要も増えつつあり、施工体制強化を図りつつ徐々に棟数を伸ばしていく」という。

(写真=ギャラリー内観。右側に見えるのがモデルハウス)