アサヒホーム株式会社
代表取締役 清澤 謙修氏
埼玉県川越市大仙波936-1、TEL049-225-1200
電化分譲で先行、地歩固める
敷地の広い、環境共生型住宅を追う
埼玉県川越市の分譲系ビルダー。オール電化仕様の分譲住宅を手掛けだしたのは既に6年前の2001年。以来、住まいの電化による省エネ性、安全性、空気環境の良さをアピールし続けるなか、次第に環境共生型の住宅を志向するようになった。
営業エリアは都心から埼玉方面へと伸びる私鉄沿線。ローコスト系中心にパワービルダーの進出も目立つ激戦区にあたるが、電化、断熱、緑を生やせる広々とした敷地…といった特色を打ち出し、同社は地歩を固めている。モットーは「一生喜ばれる住宅づくり」。シンプルな言葉のなかにいろんな想いが混じる。
分譲ビルダー。清澤社長は「正直、売れるか売れないかは立地環境次第というのが大きい」。
それでも品質の追求は怠れないし、会社として住まいに特色を出したい。
同社第一の特色は、分譲住宅のすべてが敷地面積40〜50坪以上あるという点だ。狭小住宅は手掛けず、広々、ゆったりを追ってきた。住まい作りを始めて30余年、この考えは一貫させている。
もっとも戦略としてそうしたというより、「マンションじゃなく戸建てにするのなら、庭があって緑があって、ゆったり住める家を選ぶべきでしょう。隣と庇がピチピチくっついているような家には住んでもらいたくないし、第一レイアウトも限られます。まあ正直、作りたくありませんね」(笑)。要は社長の趣向がビジネスに反映しているようなのだ。余談だが清澤社長は住宅敷地面積で日本一とされる富山県の出身。「幼い頃からの記憶が影響しているのかも」と笑う。
これに対しオール電化住宅はトップダウンで導入をいち早く決断、「社員にはオール電化で考えを統一させた」。6、7年前のことである。イニシャルはアップするが「土地手当てから始める分譲の場合、価格を織り込んで、見えなくすることができる」との算段もあったそうだ。
●CO2削減へ、啓蒙住宅を見せる
以降、すべての住宅をオール電化に衣替えした。太陽光発電だけは標準形にしなかったが、プロジェクトによっては「全棟太陽光発電の街」を打ち出し、早期に完売させた実績も複数ある。清澤社長は「太陽光は国家補助が無くなったものの顧客の関心は高い。装着率は上がっていて現在3割ほど」と話す。
オール電化に絡み、太陽光を含む電化住宅購入者へ1年間の光熱費調査を行なったところ、総合電気代で月平均マイナス231円というケースもあったそうだ。つまり太陽光発電による売却電気代が購入電気代を上回っていた。 「これは夫婦2人でつつましく暮らされている家庭の例で特異かもしれませんが、4人家族で月間光熱費5000円以下というのは珍しくもありません。調査を行なって我々の事業が省エネ、CO2削減に寄与していることをあらためて感じました」と清澤社長は言う。
これがきっかけとなったのか、現在、同社はオール電化に加え、軽量発泡コンクリートによる外壁、ペアガラス、断熱工法などを取り入れた住宅の高気密化に取り組み、省エネを進めCO2をより削減する方向を目指している。ちなみに先の光熱費調査を行なった住宅は、相当隙間面積(C値)で1平方b当たり平均およそ3・7平方aメートルだが、オール電化+高断熱・高気密による住宅だと次世代省エネ基準を大幅に上回る同1・4平方aメートルまで気密が高まるという。
清澤社長は「こういう家に太陽光発電をつければ光熱費はもっと安くできます。これを売っていきたい」と言い、続けて「分譲住宅の現場では、緑が豊かで通風もしっかりして、さらに省エネ効果の高い売却型モデル住宅をまず先に建てるようにするつもりです」と方針を打ち明けた。
つまり、分譲地に環境共生型の理想形の住宅をまず一棟建て、これを基準に予算と照らし合わせながら、土地と住宅を「売り建てていく」というわけ。社長は「啓蒙をしていきたい」と言い、パワービルダーとは違った手法で自社をアピールすることに努める。
昨年は、温暖化防止に向け国が音頭を取って立ち上げた「チーム・マイナス6%」に参画。今年は社員総出で月一回、本社周辺の清掃をボランティアとして行なうことも決めて実行している。「足元から環境問題に取り組んで、事業にも反映させたい」とする。
販売実績は近年70棟前後で安定しているが、早期に80棟以上を目指す。ただ「マスを追うのではなく、一生住める、喜ばれる住宅を提供していきたい」。
オール電化を選んでから自社が目指すべき道がはっきりした。方向性が明確な同社の経営はためらいがなく、すがすがしい。
