デザイナーが自ら切削加工 技術部門との疎通、早く正確に |
日本ビクター・デザインセンター[切削RPによるデザイン検討] 神奈川県横浜市 |
日本ビクターが3月に発売したフルハイビジョンのハードディスク式ビデオカメラ「Everio(エブリオ)GZ―HD7」の売れ行きが好調だ。丸みを帯びたやわらかなイメージとは対照的に、性能は高く、家庭用ビデオカメラ初の画素数1920×1080のフルハイビジョン記録を実現。その高精細な画質で販売数は目標の2倍近いという。高い機能や使い勝手を与えるべく、その「形」を決めたのが同社のデザインセンターだ。50人ほどのデザイナーを抱えるデザインセンターにはスケッチやクレーは見あたらない。替わりにあるのは砂と木材からできたケミウッドの原寸模型だ。原寸模型は3次元CAMソフト「Craft MILL」(リアルファクトリー製)を使ってRPマシンで切削加工したもの。ケミウッドの角材を夜、機械にセットして帰れば翌朝には模型ができあがっているため、1つの製品のデザインを決定するまでに試作モデルを多く作れるメリットがある。 デザインセンターがRP(Rapid Prototyping=短時間での立体形状作成技術)を導入したのは5年ほど前。宮森昭彦・第2デザイングループ長は製品のデザインを決めるのになるべく早い段階で3Dにしようと試行錯誤してきた結果だと言う。「立体で評価できれば、我々の判断と技術部門の判断を早く詰めていける」。デザイナーの豊口馨主事技師も「モデルであれば誰が見ても同じイメージ。誤差やブレといったものがなく情報の精度が高まる」と話す。 画面や絵に描いたイメージでなく、モノを実際に手に取れる効果は大きい。スケッチなどを使った従来の方法に比べ、デザイン決めに要する時間は約2割減った。しかも手のなじみ具合まで検証しながら進められるため、「3D効果は2割以上」(宮森グループ長)と言う。 人材不足にも対応 デザイナーの実に9割がRPマシンを操作して模型を作れるため、これまで手作業でモックアップをつくっていた「モデラー」の人材不足に対応できるという副産物も得た。ただし、落とし穴もある。RPモデルの形に似た傾向が表れ、ともするとデザイナーの個性が失われかねない。デザイナーの3Dのスキルは同じテキストを使って身につけているためだ。 この問題に対応するためデザインセンターでは、3Dの応用力をさらに鍛えることで個々のデザイナーの表現力を高めようと、ソフトベンダーの協力のもと3D技術の強化に取り組み始めた。 |
日本ビクターが3月に発売したフルハイビジョンのハードディスク式ビデオカメラ「Everio(エブリオ)GZ―HD7」の売れ行きが好調だ。丸みを帯びたやわらかなイメージとは対照的に、性能は高く、家庭用ビデオカメラ初の画素数1920×1080のフルハイビジョン記録を実現。その高精細な画質で販売数は目標の2倍近いという。高い機能や使い勝手を与えるべく、その「形」を決めたのが同社のデザインセンターだ。