物流新聞トップへビルダー最前線 -37- 2007年10月10日号 ・1166・10P
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日置建設株式会社

代表取締役 日置尚文氏
明石市大久保町江井島1748-2、TEL078-936-4320

営業マンゼロで売上高アップ

仕組みづくりで顧客の掘り起こしに成功

特徴の一つとして、5年前にまず打ち出したのが「自然素材」。幼い頃からアトピー性皮膚炎を患い、ゼネコン退社時にはステロイド剤を絶つため「皮膚がボロボロむけ、かゆみで眠れない。地獄のようだった」という入院も経験したという日置社長だからこそ、こだわりは一しおだった。全国の森林業者をまわって低コストかつ良質の無垢材を仕入れることはもちろん、断熱材には新聞紙原料のセルロースファイバー、床には炭化コルク…と徹底して自然素材を活用したモデルハウス兼自宅を建築した。ただ、この頃、「消費者のうち自然素材派は極少数。なかなか浸透しなかった」という。

変わり始めたのは、ここ1〜2年だ。シックハウス法施行などで室内の空気環境に人々が注目し始めたことやネットの普及で健康住宅の知識が広まり、「自然素材派が全体の15〜20%程度にあがっているのを感じる」と日置社長。社長が2年ほど前から取り組み始めたブログやHP、チラシなどで自然素材の住宅作りをアピールしてきたことが、自然派の顧客を集中させる結果となった。

一方で、会に加盟した「ウッドハウス」も人気を呼んだ。外張り工法により断熱性能Q値2.0以下、 気密性能C値0.7以下と次世代省エネ基準を大幅にクリアする一方で、床、壁、ドア、階段などに天然ムクや自然の素材を使用。専用金物工法による耐震強度の向上が図れるため「自然素材+外断熱+剛構造」という消費者に最も提案力がある組み合わせが実現したのだった。

提供する住宅は坪50万円〜で、顧客層は40代以上が中心。自ずと競合はハウスメーカーになるが、坪1万円アップで建築家に初期デザインを依頼できるという仕組みでデザイン面でも優位に立てる仕組みを構築した。

売り込まずに顧客を絞り込む
住宅

こうした家の「箱」の性能を、売り込まないのが同社ならでは。「訪問営業を一度もしたことが無い」(社長)どころか、お客には「決心するためにもっと売り込んで欲しい(笑)」といわれるほどだとか。  それには「家を売るのではなく、暮らしをご提案する」という社長の姿勢が根底にあるからで、「家族全員の行動からライフスタイル、好みのインテリアなど余すことなく聞くことで、最適な暮らしを実現する家を提案することが最も重要。だからこそ、押し付けはしたくない」(社長)という。

ただ、家族ごとにマッチした家づくりはなかなか一般にそのよさが分かりにくい。そこで、季刊のニュースレターやほぼ毎日更新されるブログ、月2回のイベントなどを通じて自社の活動や家づくりを公開し続けることが、大きな営業力になっているのを感じていると、社長は分析する。

ブログには施工中の家でのこだわりを部材にいたるまで細かく記したり勉強会の様子を記したり、同社の家づくり事例を惜しげもなく公開。さらに「より親しみやすい目線でみた建築のよさも見てほしい」と女性スタッフが始めたブログには、ガラス戸から見た海の風景、アジアンテイストの照明など、「可愛い」「綺麗」な画像とコメントがアップされている。こうした中で、顧客のほうが同社を詳しく知り、家づくりの姿勢を理解してくれる顧客が集まる。

顧客の絞込みという意味では、月1〜2回開催するイベントも重要だった。毎回、構造・完成見学会開催場所と自社のある地域の2地点に集中してチラシをまくことで地元での知名度をあげるほか、地域のフラワーショップとコラボレートしたリフォーム企画実施、家づくりセミナー開催など、地場での取り組みを工夫しながら続けており、こうした地場活性化につながる家づくりを今後も続けていきたいという。

写真上=施工例内観 ふんだんに無垢材を使った内装。自然塗料は顧客自身が塗ることも多いそうで、これが家への愛着につながっている。
写真下= 施工例外観