物流新聞トップへビルダー最前線  -29- 2008年02月10日号 ・1173・12P
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微細加工は究極領域

硬軟材の削り出し

三栄精機[精密部品加工・超微細加工]東京都大田区

安田工業のジグボーラーに三井精機工業やキタムラ機械、ソディックハイテックのマシニングセンタ、アジエ・シャルミーのワイヤ放電加工機などが所狭しと並ぶ。

町工場が集まる東京・大田区に第二工場を構える三栄精機の設備力はちょっとしたものだ。従業員は30人足らずだが、やはり大田区の本社と静岡に昨春完成した伊東工場を合わせると工作機械だけでざっと40台。一人が1・5台を操る計算になる。

「人数からすると珍しいでしょう。機械を知る人が見るとびっくりされる」と松本栄三社長は笑う。

親会社の精密機器メーカー、黒田精工向けのボールねじや航空・宇宙関係の単品加工を中心に、複雑な形状・微細加工を得意とする。10個以下の少量から200個程度の量産まで対応する。

手がけるワークの一つ、人工衛星のサポート材などは溶接できないためすべて切削加工する。材料もアルミやチタン合金など細かく指定されるため、設備力と蓄積したノウハウがモノをいう。

「ガラスならガラス、セラミックならセラミックと専門に手がけるところが多いが、ウチは硬いものか軟らかいものまで何でもこなす。ジルコニア(耐熱・耐アルカリ性に優れるジルコニウムの酸化物)セルなんかもね」(松本社長)

5軸の特徴生かす

こうして培った技術を腕試しするように、森精機製作所が昨年実施した「第4回切削加工ドリームコンテスト」に出品。金型・造形加工部門で技能賞を受賞し た。作品は直径65_のステンレスの丸棒から削り出した「籠の中の鳥」(写真)。安田の3軸立形CNCジグボーラー「YBM 950V」に回転2軸のインデックスを利用し、約2週間かけて完成させた。仕事の合間を縫って設計から加工までを行った福吉周一・技術部長によると5軸加 工の特徴を出すため、あえて籠つきにしたと言う。「縦枠だけの籠なら4軸加工でもできるが、横枠があるのでホントじゃまで。鳥の体に円盤がくっついている ような感じだった」。

新素材にも積極的にかかわり、マシナブルセラミック(加工しやすくした精密部品用セラミック。マイクロマシン部品、検査用絶縁部品などに用いる)を超硬工具でドリル加工して直径10ミクロン、長さ約0・1_の穴をあけたりもした。

松本社長は「日々変わっていく新素材にもいち早くタッチし、微細加工も究極と呼ばれる領域をチャレンジしたい」とさらりと言う。森精機の次回のコンテストには、金型・造形加工と微細加工の両部門で応募したいと意欲、自信ともに十分だ。