物流新聞トップへビルダー最前線 -45- 2008年03月30日号 ・1176・48P

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株式会社木の国工房 

代表取締役 遠藤 又四郎 氏
 
千葉県柏市北柏4-2-2、TEL04-7166-3400

本物の家 ― 見えないところから

良質資材・高密度配筋・胴縁・調湿…

 

本物の住宅を追いかけてきたという。
  コツコツと、頑なに、こだわって…。いや、というよりもフレキシブルに、伝統的な住宅づくりの良い部分と、新しい工業技術をバランスよく擦り合わせてきたのが同社だろう。関連会社に木材会社を持つというアドバンテージを活かしつつ、同社は「良質な資材をふんだんに使う家」を、現代風にアレンジしてきた。
  評判は口コミで広がり、営業エリアは、地元千葉県・柏市から茨城や埼玉の一部へと、自然体で伸びている。

 

 

事業は自然に、バランスよく伸ばしていきたい―。取材中、バランスという言葉が遠藤社長の口から何度かついて出た。バランスとは経営の目線で見ると例えばモノづくりと営業のバランス。住まいづくりでは健康的、合理的で、機能もしっかりした、トータルにバランスのとれた良質な住宅ということのようだ。

■良材を核にした家づくり

木の国工房の最大の強みは、グループに木材会社を持ち、良質な材木を廉価に調達できるという点にある。これを活かした自然素材の住宅が最初の特徴として目に入る。
  住宅はいずれも、柱、間柱、根太に、樹齢70〜80年の吉野の桧をふんだんかつ全面的に採用。さらに壁の中は「昔の家にはあった」胴縁(どぶち)と呼ぶ木の部材を張り巡らし、通気性を高めている。また土台には「豪州産桧」を使用。耐蟻性の高い豪州桧だと薬剤処理を行なわなくてもシロアリから家を守れる。わざわざ豪州桧を標準で土台に使用する住宅会社は、全国をみても数えるほどしかない。
  もっとも、「良材をふんだんに使う」ことは、同社を特徴づける要素ではあるがすべてではない。
  良材をベースに「目にみえない隠れた部分をしっかり作る」が、同社の一貫したスタイルだ。
  鉄筋コンクリートのベタ基礎には、標準で150_ピッチの配筋を施工。一般的配筋と比較し密度をほぼ倍化させた。さらにベース厚・基礎幅に厚みを持たせたほか、耐力壁を用いて壁倍率は3・5倍に高めている。このように地震に強く、耐久性に優れる基本構造づくりに正面から取り組んできた。
  さらに最新工法を積極的に取りいれながら、結露とは無縁の調湿機能の高い「呼吸する家」を実現。一般的なビニルクロスを透湿クロスに標準ですべて替える一方、複数の通気工法(オリジナルのナチュラルブレス工法、WB工法、ナチュラルブレス+外断熱工法)で住まいの健康を追っている。
  デザインも見落とせない。天然素材を贅沢なほどに多用しているわけだが、見た目にはナチュラル感が剥き出しではない。「天然素材が主張しすぎると、うるさい感じもでてくる。だから敢えて一部を隠すような仕上げもしている。デザインは重要なファクターですから」と遠藤社長。  

■30年後のコストをみて欲しい
高級素材を使って頑強に立ち上げる同社の住まいは、平均坪単価で約65万円と、それなりの価格がする。  だが遠藤社長は「あせって安い住宅を購入し後で苦労するより、30年後も安心して暮らせる住宅を選びましょう、ランニングコストも考えてください、そう提案しています」と話す。  課題は自ら取り組んでいることを、どう世の中にアピールしていくかにあるようだ。下請けには出さず直接施工で顔見知りの大工しか使わない、派手に宣伝を打ってそのコストを建築費にオンするようなことはしない、営業エリアは住宅展示場(現在5カ所)から一時間以内の距離に限る…地域密着に特化した経営のなか、営業でやれることは限られている面もある。  そうしたなか近年はHPを充実させ、ここでの情報発信に努めてきた。検討中の顧客をモデルハウス(宿泊体感施設)に招いて泊ってもらい「住まい心地の良さ」を訴えもしている。また社員一人ひとりがスポーツなど地域に密着した活動を行なうことで、間接的に同社の存在を知ってもらおうともする。  「本物志向」のスタイルは、ゆっくりだが評判の輪を広げている。  木造りの注文住宅ひと筋で今年20年。現在は受注ベースで年80棟弱。「求められることにきっちり応える形で、自然体でエリアを広げていきたい。将来は千葉、茨城、埼玉で年300棟の受注を目指したい」(同)とのことだった。