5軸仕様を基本にした独MC 紆余の末、「日本で生き残れる試作」に |
根本機械製作所〔二輪車・航空・宇宙部品試作〕東京都北区 |
5軸制御加工のノウハウを話してほしいと大手工作機械メーカーがひっきりなしに依頼する加工会社が東京・北区にある。いったいどんな会社かと訪ねると、住宅街にぽつねんと構える、2階部分を住居にしたこぢんまりした社屋だった。わずかに機械音が漏れる入口の引き戸を開けると、いきなり視界をさえぎられる。OKKの5軸マシニングセンタ(MC)が高さ3bほどの天井近くまで壁のように立ちはだかる。独製機2台を含む4台のMCが根本機械製作所の主力機だ。 「こんなに狭くなければ機械設備は今の3倍はあった」 根本清一専務は言う。それでもワイヤ放電加工機やボール盤、レーザースキャナーなどを含めると、30平方bほどの敷地に機械がざっと15台。「機械密度」はなかなかのもの。自然、通路は狭く迷路のようで、それさえも機械の操作盤やエアー管がふさぐので部外者が居場所を確保するのには苦労する。1台設備するには他の1台を外に出さなければならないことはすぐに想像がついた。 親子3人で経営し、売上は6千万円。新型二輪車の部品試作やタービンエンジンのブレード、F1カー、航空・宇宙関連の部品製作などを手がける。試作が仕事の9割を占め、複雑な形状を面品位を保って削り出すことが求められるという。 3年前に導入した独DMGと同ハームレの両MCが存在感を放つ。「売れ筋の3軸仕様をベースに設計した日本製とちがい、ドイツ製は5軸仕様を基本にしている。5年後を見越した開発スタイルは、その場しのぎの日本とはまったく異なる」と根本専務は言い切る。 独製MCのデザインを「ゴールデン・プロポーション」と根本専務は表現する。性能の割にコンパクトで、その結果、機械剛性と安定した操作性を生み出すからだ。剛性については、テーブルに数百`程度のワークしか載せられない日本製に対し、同レベルの独製だと1d以上載る。違いは歴然としている。 ●50人規模の時代も 1921年、祖父の代から蒸気機関部品の製造会社として埼玉・川口に創業した同社は、一時50人の従業員を抱えたこともあった。その後、東京・北区に移り煎餅焼き機を埼玉・草加の老舗向けに生産したが、コンビニなど流通革命の影響で衰退。たどり着いたのが「日本で生き残れる試作」だった。5軸MCはアジア勢に真似できない加工をするのに威力を発揮する。ちなみに5軸機の初導入は約20年前。カリスマ設計者がつくった大鳥機工製だった。 このコーナー恒例の自社評価をしてもらおうとしたが、「評価は他人がするもの」と根本専務は取り合わない。しつこく問うと「一つ言えるのは、工場の狭さ、汚さでは一番」。つい頷いてしまった。 |
5軸制御加工のノウハウを話してほしいと大手工作機械メーカーがひっきりなしに依頼する加工会社が東京・北区にある。いったいどんな会社かと訪ねると、住宅街にぽつねんと構える、2階部分を住居にしたこぢんまりした社屋だった。