磨きナシで面粗さ0.3ミクロン 超精密ヘール加工で抜きんでる |
賛光精機 [アルミ精密部品加工] 埼玉県本庄市 |
超精密ヘール加工で頭ひとつ、ふたつ抜きん出ているのが埼玉県の賛光精機だ。職人技に頼った根気のいる鏡面仕上げを、機械加工による削り出しだけで見事にやり遂げる。面粗さで公差0・8ミクロンの仕事を日常的にこなし、さらに0・3ミクロン台の加工ノウハウも手中にした。仕上げの「磨きレス」は多くの工場が取り組んでいるが、サブミクロンという精緻なレベルで「磨きゼロ実現」との話は、まず耳にしない。 優れた機械さえあればできるものじゃない。可能にしたのは工作機械、工具(ヘールバイト)、加工条件などをベストマッチさせた人の力である。 まず機械は、ヘール機能をつけた牧野フライスのハイエンド横型MC(A55e)を設備した。刃物は形状を独自設計し刃先には単結晶ダイヤモンドをつけた。ちなみにこの工具はかなりの高額品で、清水洋常務は「現場では費用を聞いてビビッてしまい、当初は思い切ったテストに躊躇したふうでもありました(笑)。折ってもいいからやろう、そう言い続けながら技術開発を進めました」と述懐する。 さらに制御方法、剛性レベルを含めた最適治具の開発、加工条件のベスト化などで試行錯誤し、超精密ヘール加工のノウハウをものにした。 加工仕事は、ヘール加工を含め「試作から量産まで99%がアルミの削り出し」(同)だそう。超精密分野にトライし続けるなか、荒加工と仕上げ加工を同工程で行なうなどの技術も有す。 「精度・品質向上」コミュニケーションベースに 同社を訪ねると、合理的かつ建設的なモノづくりに「組織」として取り組んでいることが分かる。 社員60余名の規模ながら、加工チーム、生産技術チームなどと明確に分かれ、またプログラムセンター、ツールセンター、治具センターとモノづくりの各要所部に特化した専門組織を持つ。 例えば治具センターでは、すべての治具を管理しながら、より良い治具にすべく改善・開発活動を続ける。生産時、治具の問題点が明らかになると、ただちに同センターへフィードバックされ、加工チームとともに改善会議などで善後策を検討し、実践するといった流れだ。 このように各センターはエキスパート部隊として機能しつつ、他センターとレベルの高いところで擦り合わせを行なう。そうやって同社は総合力としてのモノづくり力を高めてきた。清水常務が付け加える。 「会議では最近コミュニケーションが深まっていて、社内におけるモノづくりノウハウの共有や学びの場となっています」。 新分野にもチャレンジ 仕事は、半導体・液晶、空圧機器、医療などの先端分野で主に大手からの受注が増えており、工場は24時間稼動、「過去4年間は365日、不休で動いた」そうだ。 加えてアルミ加工以外の新分野にもチャレンジ中。このほど電子ビーム溶接機(三菱電機製)を導入し、新規モノづくり事業や、溶接を加えた切削の分割加工に目を向ける。「受注していた製品で、後工程で溶接しているものがあることを知りました。当社で一貫製作できるようになってお客様にも期待してもらっています」(同)という。 最後にもう一つ。同社は過去からモンゴル人研修生を積極的に受け入れてきた。「皆、熱心で仕事ができる」という話も興味深いが、同社を巣立った一人が3年前にモンゴルで金属切削加工の工場を設立、そこに同社が100%出資したというから面白い。「モノづくり系日本企業の進出は今回が初だ」とモンゴル政府に言われたそうだ。 友情を橋渡しにしてモノづくりの夢を膨らませるとともに、モンゴルでは普及していないコピー機の販売業務なども着々、進めている。 |
超精密ヘール加工で頭ひとつ、ふたつ抜きん出ているのが埼玉県の賛光精機だ。