物流新聞トップへ挑む!加工現場 -59- 2008年05月30日号 ・1180・28P
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摩訶不思議なX 

 1895年、ドイツ人Roentgen Wilhelm ConradはX線を発見し、ノーベル物理学賞第一号受賞者となる。
  ]線は当時、摩訶不思議以外の何ものでもなかった。発見されるまでの状況を本コラムに記載しようと試みたが、科学と化学の域であり判り易く表現することは難しい。それもそのはず、彼が発表前に妻に漏らした言葉が次のとおりである。「これを発表したら気が狂ったと云われるだろう」。
  この放射線は発見者に敬意を表し「レントゲン線」と命名されるが、本人は物体を通過するという未知の性質から、数学で未知数を表す]を取って「]線」と呼んだ。
  物体内部を透視する光線の発見は、当然、一大センセーションを巻き起こした。それもそうだ。物理学の域を超え医学や工学まで多くの科学分野に一筋の光明を与えたのだから。
  彼が偉大なのは、ノーベル賞以外の受賞はすべて断り、科学は人類が広く自由に利用すべきものとして]線について如何なる特許も取得しなかったことだ。彼は第一次世界大戦後、インフルエンザが蔓延するなかで困窮の内に世を去っている。私たちは、年に一度の定期健康診断・胸部]線撮影時に、レントゲン氏に感謝することを忘れてはいけない! 汗も苦労も無く数字のマジックのみで富を得ようとする投資ファンドの輩には薬を煎じたくもなる。
  ]で思いつく映画はいくつかある。
  『遊星よりの物体]』(1951年クリスチャン・ナイビー監督ハワード・ホークス製作)。極地化学研究所(北極)近くに飛行物体が墜落する。捜索隊は氷に埋もれた大円盤を発見する。彼らは掘り起こそうとして爆発飛散した円盤から出た物体]を持ち帰るが、植物組織の生命体は動物の血を吸い成長していく。知力・腕力に優れた未知の生物が人類を襲った。
  「怪獣ウラン」(原題は] the Unknown、1956年レスリー・ノーマン監督)。放射性火傷を負った兵士を救出した一行は、地下ウラン鉱で謎の生命体を発見する。やがてこの生命体は人類を襲い始める。
このように]がつく映画の主人公は謎の生命体が多く、人類を助けることはない。
  未知(=])なるものに対して人はまず、不安が先走るのだろうか。