「ゴールド」
ピーター・ハント監督 ロジャー・ムーア主演(1974年)
レアメタル-ビタミン不足の心配も?
電子部品などに多用されるレアメタルに供給リスクが予想されている。経済産業省は金、銀、インジウム、プラチナ、ニッケルなど31種類を稀少金属と指定している。
これらの金属がどれくらい「レアもの」かは、鉄の消費量と比較すると分かる。
鉄の年間生産量は約13万トン。対してレアメタルの中で一番生産量が多いニッケルでもこの1000分の1に過ぎない。また古代から今日までの金の採掘量は「50bプール約3杯分」とのこと。金は宝飾品が約70%を占めるが、工業用・歯科用などでも貴重だ。さらに金よりも埋蔵量が少ないのが、フランス・ルイ16世が「王に相応しい貴金属」と評したプラチナ。有史以来の採掘量は推定4720トンであり、一辺6mの立方体にほぼ収まる。ちなみにプラチナは、遠い昔、地球に飛来した隕石によって生まれたとされ、採掘地は南アフリカ(75%)とロシア(17%)で占められている。需要は宝飾品40%、自動車触媒40%など。
これらから、鉄が「産業のコメ」と呼称されるのに対し、貴重なレアメタルは「産業のビタミン」と呼ばれる。日本の産業界が弱体化しないよう、ビタミン不足対策に国も真剣に取り組みだした次第なのだ。
ハイブリッド自動車・携帯電話の普及によるレアメタルの需要急増は、産出国が中国・南アフリカなどに集中していることもあって、色んな思惑を織り交ぜながら市況価格を押し上げている。狭い国土の日本に鉱山開発は望めないだろうから、再生紙なども含めて資源のリサイクル技術力を高める必要がある。
映画「ゴールド」(1974年ピーター・ハント監督ロジャー・ムーア主演)。南アフリカにある世界最大の金鉱で思いもよらない大爆発が起こる。背景には国際シンジケートによる金価格暴騰が図られていた…。
レアメタルにまつわるキナ臭い動きは、残念ながら現実の世界でも増えそうである。