物流新聞トップへビルダー最前線 -52- 2008年11月25日号 ・1192・16P

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株式会社 町田工務店 

大阪府堺市北区北花田町4丁110-8、072-255-2372

品質で勝ち抜く、「スーパー下請」

「無添加」取り入れ、元請としても活躍

大阪府下を中心に年間300戸以上をてがける「スーパー下請」として活躍する町田工務店。同社ではバブル後の熾烈な競争のさ中にあっても値引きに決して応じず、「品質」を最重要視した結果、紹介受注が相次ぎ、住宅不況に負けないパワーを生み出した。07年9月期の売上高は5年前の約2倍となる41億円にまで増加。請負工事を中心に、注文、小区画分譲、リフォーム部門も着実に成長させ、現在では「無添加住宅」の流れを汲んだ健康住宅仕様「サンレモシリーズ」で好評を呼んでいる。

地場密着企業が有利に

 大阪府下の戸建市場は分譲住宅系ビルダーの勢力が強く、着工数にして分譲一戸建て住宅は1万4189戸(07年度)と注文戸建の1・5倍のボリュームがある。地場住宅会社の強さに加えて、近年は首都圏分譲ビルダーも広域展開の手をこの地に広げ、激戦の様相を呈していた。
  が、その勢いにも陰りが見え始め、「昨年あたりから分譲戸建の完成在庫が増加気味」(住宅産業研究所調査より)の声。さらに昨年6月の建築基準法強化が工期遅延によるコストアップと着工ボリューム減を招き、昨今の世界的金融不安は財務面でのリスクを増大させている。
  こうした現状について、請負工事の地場トップ企業、町田工務店の町田泰次社長は「売れ行きが悪化しているのは、他地域からきた広域型分譲ビルダー。一方で、地場の中小不動産業者による3〜5区画の分譲戸建は、比較的、よく売れている」という。
  「地元の顧客をしっかりもっており、ニーズにぴったりマッチさせられる立地・条件の分譲住宅を供給した結果だ」(同)。好機を得るべく町田工務店でもグループに不動産会社を構え、小区画分譲を企画。年々、売上に占める比率を高めているそうだ。

品質でプロの紹介受注を掴む
 同社の創業は昭和40年だが、現在に至るそもそもの基盤が作られたのはバブル崩壊後。バブル期まで隆盛を極めていたマンション建築の分野が失速し始めたのを機に、戸建請負中心にシフトした。  軌道に乗ったのは、業者間の口コミ威力が強い。「工事品質が高い」「大工のマナーが良い」「アフターサービス体制がしっかりしている」―不動産業者や設備メーカーからの紹介が続き、営業部門を持たなくても、請負工事の受注が増加したそうだ。  当時は業者間の値引き競争が激しかったが、同社では決して応じなかった。その理由を「値引きをすれば、監督が2〜3倍の現場を掛け持ちで監理を行なわねばならず、ミスが増えるのは目に見えていましたから」と町田社長は明かす。  品質管理には徹底して力を掛けた。戸建の請負事業をスタートした当初から、社員が独自に、試行錯誤を重ねて監理・施工基準を作り、ISO9001、2000など品質管理の国際基準を取得。社長は「当時は、こんな細かい面倒なことをやっていて、本当に受注が増えるのか。社内では不満の声も挙がっていました」と振り返りつつ、確信もあったという。「品質が必ず、うちの大きな強みになる」―その卓見と地道な努力が、「品質」で紹介を得る現在の好循環を生み出した。

「1日150円」で、健康な空気環境を
 約4年前からは、シックハウス症候群やアレルギーの原因物質の一つとされる揮発性化学物質(VOC)を徹底廃除した「無添加住宅」のFCにも加盟。注文住宅とリフォームで、「無添加」の家を提供し始めた。  町田社長によれば、「ホルムアルデヒドの放散量を厚生労働省の基準値以下に設定したF☆☆☆☆の建材でも、夏場の西日があたったり、室温が上昇すれば放散量が増大してしまう。また、ホルム以外のVOCの影響もあり、建築基準法に適合するだけでは、シックハウス症候群の発症もありえる」という。無添加の家に注目したのは、そのためだった。  ただ、「100%無添加の素材を使うのでは、コスト、工期がかかりすぎる」(同)という問題点も重視した。そこで現在では無添加のコンセプトを受け継ぎつつ、工業化住宅による工期短縮・コスト低減の利点を活かした「サンレモシリーズ」を提案、好評を博している。  同シリーズは、全建材を「無添加」仕様にするのではなく、室内の空気環境を重視したもの。吸放湿性能に富み、空気浄化機能を有する「漆喰(しっくい)」を壁、天井面に用い、内装ドア、床材には無垢の建材を用いた。  この場合の、コストアップは坪当たり約4万円。「30坪の住宅の場合、120万円。30年ローンに直すと、『1日150円』で、空気環境の良い住宅が手に入る」(同)など、コストの課題もクリアした。  今後について、「漆喰を使った健康な住まい作りについて、分譲、注文、リフォームとも全方位で対応していきたい」と町田社長。その良さを体感できるモデルルームも大阪市内に設けており、ムク材のナチュラルな質感や、漆喰の生み出す清浄な空気感、素材の温かみが好評を呼んでいるようだ。