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ビルダー最前線 2009年11月10日号

施主目線の家づくり、ファンを広げる
「高級ホテルより寛げる、新しい我が家を」

納得住宅工房株式会社
静岡県富士市永田町1-80-1、TEL0545-57-7109
代表取締役社長 久保 淳 氏  

 

 納得住宅工房新築着工90万戸割れ、80万戸割れの大不況期にあって、右肩上がりの成長を続ける会社がある。静岡県の納得住宅工房だ。平成20年6月期の売上高は前年比66・3%増の12・1億円。21年度はさらに23億円へとほぼ倍増で、完工棟数は85棟と前年度からさらに20棟実績を伸ばす見込みだ。「人に喜ばれる家を創っているのだから、不況は関係ない」―。久保社長は事も無げに言うが、その裏に秘められた努力は相当なもの。施主目線に立ち続けた結果が実績に現れ、非常に高い紹介率を維持しているという。

 毎月数回行う完成見学会には、2日間でおよそ130〜150組が来場と大盛況。そのうち、3分の1がOB客というから、ちょっと変わっている。
  「子どもが生まれました」、「○○さん(営業担当者)、元気?」と、友人の家を訪ねる感覚で、ふらりと集まってくるOB客たち。完成した家を見ながら、「ここもいいけれど、うちの家もすごくいいんだよ」。そんな話が自然と交わされ、他の見学者にも「納得」の良さが伝わっていくのだという。
  毎月開催するお客様とお酒を交えて語らう会(通称:kubo?s bar)や、半期に一度のボーリング大会、地引網大会など、コミュニケーションの機会も豊富。そんな距離の近い付き合いの中でアフターの相談も上がり、即対応してくれるから、施主の安心度合いはさらに高まっていく。
  施主から、納得住宅工房の社員に転身した人も5名いる。久保社長曰く、「大変な仕事だというのは、施主だったから分かっているはず。お客さんの要望に応えられるまでとことん付き合うのですから。しかし、『人に喜んでもらえることを積み上げる人生』を選んで入社してくれたんです」。顧客中心主義を貫く、久保社長の信念に「納得」してのことだという。

■「喜ばれる」家づくりを
  20代の頃、地元ハウスメーカーのトップセールスマンだった久保社長だが、「お客さんの要望より、売ること、利益を出すことが仕事の目的になっていることに憤りを感じて」、退社。地元工務店での勤務を経て、平成11年に独立を遂げた。
今も当時も、常に頭にあったのは「人に喜ばれる家を創る」ことで、業界の常識に反発を覚えていたという。「モデルハウスを持つから、経費がかさみすぎてその分を住宅価格に上乗せしなくてはならない。中間マージンを取りすぎて価格が跳ね上がっているから、質の高い部材を使えない」…話し出したら止まらない「本音の話」は、施主の、住宅業界に対する不満と疑問を一掃する迫力がある。その詳細は、社長自身がつづったブログや著書で紹介されているので、ここでは省略するが。
  では、そこまで顧客満足度にこだわる納得住宅工房の住宅概要は?というと―柱に背割なしの3・5寸角無垢檜を、壁に漆喰や薩摩中霧島の塗り壁、床に同社でしか日本で手に入らないという高級アンティーク材など天然無垢材のフローリングを用い、家具まで標準仕様に盛り込みつつ、平均単価は2300万円ほど。樹脂サッシペアガラス、断熱材にセルロースファイバーを使うなどにより次世代省エネ基準相当の断熱性も確保した。
そのデザインはまさに十人十色で、インナーガレージの愛車を書斎から眺められる家、六角形の吹き抜けリビングと和室がある家、アジアンリゾート風の家…と、変幻自在だ。
  施主の多くは、30〜40代で、特にデザインに関心が高い人が多い。同業者や協力業者、役所の建築関連職などその道のプロも多いそうで、彼らが支持するのは、品質の高さはもちろんのことだが、「ただの『ハコ』を作っているんじゃなく、その家族のライフスタイルに合った家創りをしている」―そんな部分なのだという。

■家族をつなぐ、空間提案
  家族に合わせた家創りができるのは、久保社長のセンスによるところが大きい。プランニングには全て社長が立会い、社長自らが基本設計を行う。「全てのお客さまに直接お会いして、一番満足できる家を創るのが、社長としての責任」。そんな信念があるからで、打ち合わせが数回〜数十回に上ることも少なくない。
  ポイントになっているのは、「家族の『距離感』を読んでカタチにする」ところ。たとえば、「甘えたい盛りのお子さんを安心させつつ、母親が自分の仕事にゆっくり取り組めるようにするには?」と、スキップフロアに遊び場を作り、下階にいる親の気配をいつも感じられるようにしたり。また、「旦那さんが格好良く見えて愛情が深まるように」と、すりガラス越しに、ななめ後姿が浮かび上がる位置に書斎を作ったり…。「完璧な家族なんていない。家族のつながりを補完するのが、家の役割なんです」と、笑顔を見せる久保社長。その背後の壁には「ここで家創りをして、本当に良かった」―そんな施主の手紙が何枚も貼られていた。
                         ◆ ◆
  昨年8月には、賃貸住宅・企画住宅を手がけるARKデザインワークスを立ち上げ、「1350万円で家具付き住宅」を提供。年間30棟の売上を目指す。さらに今年2月には全国のビルダー十数社が参加するVC(ボランタリーチェーン)「納得倶楽部」を結成した。自然素材やデザイン、営業ノウハウを広げることで、「日本の住宅を変えたい」のだと久保社長は言う。「都会の豪華なホテルにいるより、家に帰ってくるほうがずっと楽しみになる。そんな文化を広げられる家創りを広げていきたいんです」。新たな挑戦が始まったところだ。




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