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挑む加工現場   2010年03月10日号


脱クルマで業容大変身
溶接技術磨き、金型補修事業を軌道化

東南精機 [大型機械加工ほか 愛知県安城市

 モノづくりで世界に範を示してきた愛知県三河地区。この地から、脱クルマで業容を転換し、独自発想をもとに新事業を伸ばす「古くて新しい加工業者」が出現した。過去50余年にわたって自動車関連の大物加工を手掛けてきた東南精機(従業員約50名)がそうだ。
  約7年前、経営の舵を大胆に切り変えた。それまで売上の9割を超えるほど自動車に依存していたが、「クルマは海外生産が中心になる」(渡辺秀一社長)と読んで新分野の加工にチャレンジした。
  造船、プラント、風力発電関連等の新規受注に努める一方、溶接技術を取り込んでの「肉盛り溶接+MC加工」をベースに金型修理/オーバーホール事業を育成した。それらが見事に奏功、自動車向けは目下厳しいが(売上比率で約3割に低下)、他の加工事業で余すところなくカバーし、今の時勢にあって「24時間・無休稼動」(渡辺社長)を続けている。
コア技術の「大物加工」を活かす
  「7、8年前は、ガタガタだった」(渡辺社長)という会社が変革を成し遂げた背景には、トップダウンによる実践力や、チャレンジ精神、大胆な発想がある。
  わけても「溶接技術に着目し、これをものにした」が光るところだ。
  工場には幅3bを超える電気炉をはじめ、溶接機も約10機を数える。中堅の機械加工業でこれだけの溶接設備がある会社は全国でも少ないはずだ。狙いは大物金型の補修。渡辺社長が言う。
  「廃棄寸前の金型でも、肉盛り溶接して機械加工で仕上げれば、成型不良の無い金型として機能させられます。2000d以上のダイカスト金型など、超大物型の迅速修理ではどこにも負けない自負があります」。―溶接分野に足を踏み入れることで、大物機械加工のノウハウが倍にも、それ以上にも活きた。
  溶接事業では、電気炉で熱した後、型を300度前後の高温を維持したままで溶接修理する。そうすることで割れの発生を防ぎ、その後のMC仕上げで金型が高品位に蘇る。ちなみに型の溶接修理は、月曜朝の納期指定で金曜夜に現物を同社に届けたいとの要請が多く、同社は受け入れ体制を整えた。このフローだと顧客の成型ラインが止まることはない。
  一方、造船・プラントなどに絡む新分野の機械加工事業もほぼ順調だ。クルマでQCDを鍛えられてきたこともあり「仕上がりがきれいでスピードも早い、さすがは東海地区」といった評価を得ているそう。加えて風力発電、航空宇宙絡みのプロジェクトに参加、あるいは主体的に仕掛けるといった企業行動も、同社は積極的に取っている。
大きい、深い、長い… 基盤技術に磨き
  勢いづく新規事業に目を奪われがちだが、大物加工というコア技術は地道に磨き込んでいる。
  工場には立旋盤2台、門型5軸3台、横中ぐり3台、門型中ぐり5台―の大型機が配され、これらを囲むようにオリジナルの治具・ガンドリル工具、その他刃物がズラリ棚に並ぶ。またキャティア(V5)をはじめCAD/CAMは12台にも。これらの設備を駆使し、直径2800_クラスのワークまでを旋削から複合加工まで施し仕上げている。
  「超深穴加工」や「径1_のボーリング加工」など技術には自信がある。特筆事項として「鋳物の切削などでもビビリがまったく無く、精度安定感が高い」という倉敷機械の中ぐり盤をオリジナル仕様に変えての斜め深穴加工で差別化をはかるほか、門型5軸MCを活用した新ガンドリル加工法の研究実践、関連会社が市販するドライ加工システムを活用しての環境にやさしい高効率加工なども注目される。
  社員の平均年齢は29歳。渡辺社長は「若いエキスパート集団。私以上の能力を持つ人材が揃ってくれた」と今後に強い手応えを示した。


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