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柝声(たくせい) 2010年03月10日号掲載

  奈良で五歳の幼児が実の親二人から食事を与えられず餓死した▼やせ細って体重は五歳児の標準の半分ほどしかなかったという。わずか5年余の人生の最後はひもじさに起き上がる力も、泣く力も、まぶたを開ける力も失い、命が崩れ落ちたのだと思う▼どんなにか食べ物が欲しかったことだろう。空腹が重なっていく恐怖。最も頼りとする親が空腹を押しつけている「絶望」を、閉じ込められた狭い空間でじっと見ていたに違いない▼幼い子どもにとって最大の恐怖は「死よりも空腹」だ。といえば今の人たちは笑うだろう。しかし幼児にとって死は現実ではなく空腹こそが現実なのだ。死は「星様になる」夢物語でもある▼戦中に生まれ、戦後の「無い無い時代」に育った身には、遊びの前に食べ物漁りがあった。いや、食べ物漁りと遊びは同次元だったかも…▼仲間と野山を駆け、海に入って遊び、そんな中で口に入るものを争って口に入れた。結果、腹痛を起こしても怖くなかった▼そんな時代経験からか、二十年前、息子が学生として一人生活を始めた時、いつも胸に重くあったのが「ハラを減らしていないか」だった▼「遊びをせんとや生まれけむ 戯(たはぶ)れせんとや生まれけん 遊ぶ子どもの声聞けば…」八百年余前、後白河法皇が編んだ梁塵秘抄の中に出てくるうただ▼子どもは遊び戯れて育ち、大きくなって明日を引き継いでいく。それには大人をさて置いて、まず子どもに腹いっぱいの幸せが先である▼五歳の「絶望」を社会が何よりも重く受け止めなければならない。



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