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映画のなかの生産機械 07月10日号掲載

大型構造物の建設工事現場
「火天の城」
2009年 田中光政監督

 火天の城 田中光政監督昭和30〜40年代は、よく課外授業で映画鑑賞を行なった。幼き三十郎は「ベン・ハー」(1959年、ウィリアム・ワイラー監督)にあったピラミッド工事、「天地創造」(1966年、ジョン・ヒューストン監督)」のノアの箱船などの建築様子を映画で見るたび、機械が無い時代の先人たちの技術に驚嘆したものだ。
  大型構造物といえば、日本では歴史的に城郭が代表だろう。その建設工事風景が描かれた大作映画が2009年秋公開の『火天の城』(田中光政監督、西田敏行主演)。1575年(天正3年)、武田勢を破った信長は、翌年に琵琶湖を望む安土の地に五重の城郭建築を宮大工に命じる。建築図の作成苦難や、桧でかつ樹齢2000年以上が必要という親柱を探し、建築期間3年の人工確保など苦難を抱えながら挑む様子をスクリーンに追った。
  三十郎も大規模工事に従事した。1980年代初め、サウジアラビア王国アル・ジュベール市でのメタノール・プラントがそう。
  工事効率化のためプラント構造物は国内工場(三原)でモジュール化して輸出、それでも現場に届く構造物は一個約10立方bあった。このモジュール構造体を現地港から建設場所まで、港湾警備隊・市内警察に警護されながら20d大形トレーラで輸送し、現場で据えつけるのだ。
  ある日、大形クレーンが故障と連絡を受け、メンテ要員とともにクレーンのある場所へ急行した。フィリピン人操作員はアウトリガー(車体固定装置)を利用せずにブーム(腕)を伸ばし始めた。操作停止の指示は間に合わず、ブームが10b伸びきった時点でクレーンは不気味にしなって傾き、三十郎の目の前1b先に大音響をたてて倒壊した。逃げるどころか動くことも出来ないその時の金縛りの恐怖体験は、今も夢で悩まされる。
  反対に、半年を経て竣工した時の感激は忘れがたい。アルコール抜きビールで完成パーティーをした。完成記念写真はセピア色になったが、今も大切に保管している。
  国内では火力発電所の排煙脱硫装置設置工事にも安全担当として出向いたが、この時は高所工事の取り扱いに悩まされた。約30年前から高所では安全帯利用が義務付けされた。問題は、その安全帯を架けるための安全設備やロープ類を最初につける「とび職工員」だ。しょっぱなだから安全設備などはむろん無く、ヒヤヒヤと頭を下に向け工事を見守った。
  東京都墨田区に建設中のスカイツリーがよくテレビに映される。自立式電波塔としては世界一の高さ634bで2012年春に開業予定。上部のクレーン操作により機材が吊り上げられていくのだが、やはり、最初の工事を行う人たちは命がけで臨んでいるのだろう。



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