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挑む加工現場   2010年10月25日号


競輪用部品でトップシェア
チタン加工強みに航空機部品も 

八田製作所 [切削加工・自転車部品製造ほか] 
大阪府堺市

 切削油が染み付いた一冊の大学ノート。八田製作所(大阪府堺市、1945年創業)の本棚に収められた一冊ごとに技術開発の足跡が残っている。
  24時間体制で工場が動き続けるため、勤務交代に必要な伝達事項や現状解決できない技術課題など、気がついた時点でノートに記入する。時には、一筆書きのようなイラストが紙面に顔を覗かせることも。現場で出た課題や解決策に対して、必ず工場長や社長がコメントを書いている。
  「あくまで管理報告と情報共有が目的なので気軽に書き込んでもらっている」と、隅谷社長は一時的な細かさよりも毎日の積み重ねを重視する。
  創業時から切削加工一筋。競輪用自転車に使用するヘッドパーツの日本シェアは80%以上を占める。プロ選手が選ぶ理由は滑らかさ。マシニングセンタなどで削った後、手作業で仕上げる研磨技術も人気の秘密だ。
  1980年代、世界自転車選手権で10連覇を成し遂げた中野浩一選手と部品開発に取り組んだことがシェア拡大につながった。「ハンドルの回転度合にヘッドパーツが重要な役割を果たす。選手の感性に合っているのか、今では韓国やアメリカなどでも愛用してもらえるようになった」(隅谷社長)。
  切削技術を活かして、20年前からチタン加工に着手した。これまで航空機部品を筆頭に、医療機器、プラント、自動車など20業界・100社へ納めてきた。最近ではボーイング787関連の部材発注が伸び盛りで、「今年春頃から毎月右肩上がりで増えている」という。
  2006年には三菱重工業から認定工場の承認を受けており、仕事の幅が一層広がったよう。約300項目の厳しい認定審査に応える高品質は、3次元測定機などの検査機器が裏付ける。形状に始まり、表面粗さ、真円度、平面度などを女性スタッフ2名が丹念に検査する。
  「見た目が同じようでも、加工時の圧力で歪みが生じる。真円度、平面度、等幾何公差を0・01レベルで安定して管理できるのが強みだ」(同)。航空機部品に限らず、要望に合わせてトレーサビリティ証明書のデータ提出にも迅速に対応できる体制を整えている。

■社内コンクールで競争力強化
  技術力アップの手段として、今年から定期的に社内技能コンクールを開催している。実施内容は、マシニングセンタ、NC旋盤、複合旋盤の各部門別に、工場長が提示した課題図面を制限時間内に完成させるというもの。スピードと合わせて正確性が求められるため、不具合な部分があれば減点となる。
  図面には、社内で挙がった技術課題を盛り込む。サイズ表記も普段見慣れている_bから、航空機部品で使われるインチにしている場合もあり、読み込む力が問われるというわけだ。
  コンクール形式で順位を明らかにすることで「成長度合が見え、役職や経験に関係なく横一線で競い合える」(同)メリットがある。隅谷社長は使い終わった管理報告ノートを見ながら、「手がける分野が広い分、加工のネタが尽きることはない。この技術記録が財産になっている」と笑顔で語った。






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