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オヤジの社会学 11月10日号掲載

アオアーペ

 幼稚園に息子を迎えにいった。遠目から眺めているとサヨ〜ナラと先生にあいさつをして、こちらに向かってダッシュで走ってくる。必ず嬉しそうに一目散に走ってくる。親として、とてもハッピーな気分になるときである。「おかえりー」といって頭を撫でてやると、息子は、自分は「アオアーペ」なのだという。
  50年近くも生きてきたけれど、アオアーペとは聞き慣れない言葉である。いったいなんなのだろう。○○クンはミドリアーペ、△△ちゃんはキイロアーペなんだという。アオアーペの「アオ」はどうやら青ということらしい。色で何かのグループ分けをしているのだと判断がついた。
  問題は「アーペ」である。サヨーナラをする時、こどもたちが整列する列の先頭にコーンが立てられていて、その色が青、緑、黄色。親が迎えに来るのか、バスで帰るのか、学童保育に残るのか、それぞれのグループが色で分類されていて、目印にコーンが立っているのである。息子が並んでいた列の先頭には青いコーンが立っている。アオアーペとはあれのことかと青いコーンを指すと、息子はちょっと困ったような表情を浮かべてから「チガウ。アオアーペのひとがぁ、あそこにならぶの」という。
  真相究明まであともう一歩のところまで迫りながら、それが何なのかわからない。アーペ、アーペ、アーペ…。そうだ、わかった、青ワッペンだ。園服の肩に安全ピンで留めている小さな三角形のワッペンがある。息子のワッペンは青地にこどもが歩いている姿が白抜きされている。そうか、そうか、アオアーペは青ワッペンだったのか。試しに、おまえは青ワッペンか、と言えば「そう、アオアーペ」と息子。だが、ちょっと待ってくれ。アオアーペってなんだとさっきから訊いているのに、息子は一度だって肩に留めたそのワッペンを指差すことをしなかった。コイツ、本当にわかっているんだろうか。
  ひょっとすると「アオアーペ」は、単なる青ワッペンの意味を越え、彼の頭の中で宇宙的なスケールで広がりをみせる想像を絶する概念なのではないかなどと考えながら車を運転して帰路についた。

中原 亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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