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オヤジの社会学 11月25日号掲載

忘却のパスワード

 その昔、銀行カードのために初めてパスワードが必要になった時、電話番号の末尾4桁を当てた。
  今から思えば古きよき時代であった。その後、よその銀行やクレジット会社のカードをつくる時に異なる4桁を登録してしまった。引っ越しをして電話番号も変わり、どのカードがどの数字だったか、わけが分からなくなってきた。カードを入れ、パスワードを入力するが、機械が受け付けてくれない。何回か誤入力を繰り返すうちにロックがかかってカードが使えなくなってしまった。ロック解除の手続きがまた面倒である。
                    ◇   ◇
  これはイカンと思って、覚えやすい4桁の数字を新たに考案し、すべてのパスワードを変更し、しばらくはこれで快適な日々を過ごすことができた。 だが、最近はまたわけが分からなくなっている。 パソコンや携帯電話では8桁から長いと16桁のパスワードが要求されることがやたら多く、しかもアルファベットを入れろとか、記号を必ず入れろとか、要求はどんどんエスカレートしている。
  生年月日や簡単な数列は避けろというし、定期的にパスワードを変更しろともいわれる。もはや覚え切れない。いちいちメモするのも面倒臭い。第一、その紙切れをなくしてしまうかも知れない。
  パスワードは本人が忘れるし、盗み見されたり漏えいしたりするということで、最近は生体認証が広がっている。手のひらや指の血管の形を読み取ったり、瞳の中の網膜の毛細血管のパターンや虹彩パターンを読み取る生体認証装置が実用化されている。本人確認もここまできたかの感がある。
  このあいだ、携帯電話の料金設定を変更しようとしたら、やはりパスワードを入力しろという。ドキッ。案の定、先に進めない。紛れもなく本人なのであるが、パスワードがないと本人として認めてくれない。アイデンティティ・クライシス…。私はいったい何者なのか。
  ほとほと嫌気がさして電話口に向かって「開けゴマッ」と怒鳴ったが、受話器の向こう側では平板な音声ガイダンスが「パスワードを入力してください」というばかりだった。


中原 亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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