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オヤジの社会学 12月10日号掲載

公園 昼下がりの無常

 以前住んでいた家の近くに公園があって、そこにはおそらく常時10人以上のホームレスが住みついていた。ホームレスといっても、きちんとした身なりをしているので一般人とちょっと見分けがつかない。たしか、女の人もいた。
  そんななか、小柄で色黒のオジチャンは明るく、気さくで、公園に行くといつもいるので、うちの子どもたちと顔見知りであった。当時4歳だった娘は「オジチャン、ホジョナシに乗れるようになったの。見ててネ」と言って、補助車輪を外して乗れるようになったばかりの自転車をこぎ、「ネッ、見てた、見てた」と騒々しい。親よりもオジチャンのほうがよほど注目してくれるのでうれしくてたまらないらしい。
  3歳の娘はというと、オジチャンの備品らしきホウキを勝手に取り出して遊んでいる。彼らは公園で生活を営んでおり、テントの人もいればブルーシートの人もいるが、ちゃんとした屋根付きの家をもっている。そして、その周囲にはたいてい段ボール箱やプラスチックケースなどがうずたかく積まれ、家財道具一式が収められているのである。きれい好きな人などはきちんと荷物が整理整頓されていて、見ていて気持ちがいいくらいのものであった。
タバコだってシケモクなんかじゃなく新品の長いのをうまそうに吸っている。どうやら銀行の通帳や現金を所持している人も少なくないらしかった。
 くだんのオジチャンも、休日をだらしなく過ごす筆者などより余程こざっぱりとした格好をしており、掃除道具もしっかり揃っているわけである。娘がホウキでそのあたりを掃いたり、遊んだりしていても、オジチャンはしばらくニコニコと相手をしてくれていた。
  さすがに少々面倒になったのかそのうちに「バイバイ、バイバイ」と歩き出した。去りながらも振り返って娘らに手を振るオジチャン。名残りを惜しんでそれを追う3歳の娘があたりにシミ入るような大きな声で言った。
  「オジチャ〜ン、オジチャ〜ン、オジチャンのおウチはどこなの〜」。



中原 亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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