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挑む加工現場   2011年1月1日号


60年の技と心、民間機でも開花く
航空宇宙支える「絶対安全」  

川西航空機器工業  [精密板金加工・精密機械加工] 
兵庫県川西市 

 12月に創業60周年を迎えた川西航空機器工業。電話交換機部品製造からスタートした同社では昭和45年から40年間、防衛省向け航空・宇宙機器の標準部品を製造してきた。長きに渡って培った技術と信頼は今、民間機のエンジン部品、整備事業と、航空宇宙分野での新たな成長を生み出そうとしている。
  ここで言う標準部品とは、ワッシャ・シムなど接合部品や、ボンディングジャンパー(機体と電子部品との電位差を無くす部品)など航空機や宇宙機器に共通して使用される小型の部品のこと。防衛省の厳しい品質基準をクリアしており、なかでも耐熱、耐燃料性能に特化して開発したホースクランプは純国産大型ロケットH2Aのエンジンの固定に使用されるなど精度・品質への評価は極めて高い。
  ホームページ上に公開されている標準品の在庫点数は約8000点。これが全回転するには「最低でも2〜3年を要する」(深田政宏社長)。その効率の悪さから当初の競合は全て量産品にシフトし、いまや同社が国内唯一の供給者として残った。
  深田社長曰く、「儲けだけを考えていては決して出来ない仕事」で、国防に求められる「絶対安全」の志と、オンリーワンの供給者としての責任が同社のバックボーンを支えてきた。
  航空機にかける情熱もひとしおだ。深田社長自身、新明和工業のエンジニア出身で航空機一筋の人。航空宇宙専門の教育課程を経た社員も数多く、「好きこそものの上手なれ…ではないですが(笑)、非常に手間のかかる品質管理も新しい開発も、全員がコミュニケーションを密にしながら常に改善を重ねています」(深田社長)。若い力がどんどん育ちつつあり、標準部品で培った加工ノウハウは国際宇宙ステーションの日本初有人活動実験棟「きぼう」の空調設備の開発にも生きた。

■エンジンと整備で20億へ
  民間航空機分野での新展開も始まっている。約6年前、松浦機械の同時5軸MC「MAM?72?63V」初号機を購入し、航空機エンジン部品の加工に取り組みだしたのだ。刃具による熱変位を防ぎながら72時間連続の高精度加工を可能とするため、松浦の協力の元、当時で最大25本だった工具交換台を80本まで増やし、さらに6面パレットを導入。オペレーター2人が昼夜つきっきりで試行錯誤を繰り返し、川西と松浦の営業マンが共に試作品を持って各重工に売り込みに回った。
  成果は少しずつ見え出した。例えば…と金子営業部長が見せてくれたワークは、IAEのV2500エンジンに採用されているアルミ製ハウジングアダプター。「確実な組み付けを要することから、穴径の最大実体交差は1000分の2ミクロンと極めて精度の高い加工が求められる」という。測定時にも一工夫、誤差を防ぐ独自の固定用治具を考案している。
  現在、エンジン関連部品の売上高は約3000万円だが、近く1億円に引き上げるのを目標としており、さらに標準部品で築いた縁からユーロコプタージャパンの整備事業の受託も。神戸空港に自衛隊用ヘリ整備工場を2011年中に新設予定で、「3〜5年後にはエンジン部品と整備事業で20億円を目指す」(深田社長)。次なる夢がその軌跡を描き始めている。






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