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挑む加工現場   2011年2月10日号


弛まぬ現場活動、「6S」日本一へ
人を磨き、チャンスを掴む

 
ヒロセ工業[精密部品加工] 
京都府京丹後市 

 ヒロセ工業JR特急を乗り継ぎ、大阪から2時間40分。天橋立の眺望にため息をつきつつ、京丹後市大宮町にたどり着いた。ちりめん産業に由来する機械金属加工業が盛んな土地だ。訪ねたのは京都試作プラットフォームに名を連ねる「丹後試作隊」の1社、ヒロセ工業。アルミ加工、小物精密部品加工に強みを持ち、わずか10年強で量産部品加工から守備範囲を広げ、航空、医療機器分野への挑戦を始めた企業だ。
  工場内は整然と片付けられ、通路にチリ一つ見当たらない。30名の従業員が全員参加で各種推進活動を続けて十余年。「全員の徹底した活動が、ひと皮むけた精度と品質を培う土壌になった」と廣瀬社長は言う。

■多品種少量ラインを確立

  ヒロセ工業の創業は昭和43年。当時は地元大手・日進製作所から受ける鉄製の工業用ミシン部品やエンジン部品の量産部品加工がメインだった。転機を迎えたのは約10年前、二代目となる現社長の問題提起からだった。「うちの強みは何だ?」。量産品がどんどん海外に流れていく中で、国内に残るのは短納期・試作・高精度な物ばかり。それすら海外勢の追い上げは激しく、「新しい強みを打ち出さなければ勝ち残れない」。改革を決断した。
  最初は1台の機械から。廣瀬社長自身が従業員と共に試行錯誤を重ね、高精度加工ラインの基礎を作った。リニア駆動の同時5軸MC、非接触三次元測定器等、高精度機器の導入も積極的に進め、全員がプログラマーとオペレーターを兼ねられるよう教育にも力を入れた。
  今や5軸総削り加工、金型加工、試作加工など高精度加工ラインは工場の5〜6割。小物部品の精度をワンランク上げることで、メーカー側に製品本体の精度向上を「逆提案」できるまでになり、医療機器部品、航空関連と仕事の幅を広げることにも成功した。売上は10年前の2・2億円から5年で倍増以上の5億円に。リーマンショックを受け3・2億円まで縮小したが、売上倍増期に計画的に高精度機械を導入したことで、「高精度加工設備を使いこなす教育活動や技術開発に時間を十分かけることができた」(廣瀬社長)。売上も回復基調にあり、次の成長をにらむ素地ができつつある。

■チャンスを逃さない
  改革の根本となったのは「6S活動」だという。廣瀬社長は「整理、整頓、清掃、清潔、精度、躾」―の6つを「6S活動」と名づけ、30名の従業員が各グループに分かれて、計画、実行、監査を2カ月毎に実施。改善活動では、全社員が1週間に1件の改善した取り組み内容を報告し合っている。
  「工具や鉛筆の置き場所を決める」など1つひとつの取組みは小さいが、積み重なりは大きい。刃物を径、種類、材質別に「整理」すれば段取り時間が短縮され、測定具の保管方法、使用前精度確認、加工時の温度チェック、ライン内の清掃、整理などで「精度」が磨かれる。さらに数人のグループごとに「段取り時間の短縮」など様々なテーマを決め、6S活動の高度化を図ってきたことで、「精度・品質にようやく光るものがでてきた。目指すは6S日本一です」(同)。
  工場に入って、いの一番に目につく通路の壁には、「不良率ゼロ」に向けたロードマップも。加工不良報告書を「ルールの遵守」「プログラム・調整ミス」など原因別に分類して壁に張り出したもので、不良率グラフや不良内容分析の周知徹底も図っている。
  従業員のやる気を引き出すため、今年は加工物のアイデア・技術を競う「ヒロセドリームコンテスト」も社内で開催するという。「苦労、経験を重ねる事で、技術が習得出来る。依頼を受けてから技術を磨いていたのでは遅いのです」。次のチャンスを見据え、技能者育成に全力を注ぐ。







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