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挑む加工現場   2011年3月10日号


金型部品標準化で、設計・補修時間短縮
「CATIA駆使し、技術力ナンバーワンへ」

ユニオン精機[アルミダイカスト金型設計製作]
兵庫県加古川市 

 川崎重工業の二輪車鋳造部品を生産する加古川工場。敷地に入ってすぐ、「モノづくりは金型から始まる」と言わんばかりの場所に、ユニオン精機(高田修月社長、従業員74名)の工場が建ち並ぶ。
  川崎重工の100%出資により、同バイク部品向けアルミダイカスト金型の設計・製作会社として設立してから35年。今や、海外を含め川崎グループ企業向け売上比率は4割ほどで、その他は国内の自動車部品メーカー向けなどが6割になる。
 リーマンショックの影響で、売上高は18・6億円(07年)から2年で11・8億円へと急減したが、「赤字は一度も無く、一人も解雇していない」(高田社長)。むしろ昨年春には第3工場を新設し、最新加工機も次々導入と積極的な設備更新へ動く。
  高田社長が「家賃は相場より高額かな?勝手な想像ですが」と苦笑する通り、重工資本だからできたのではない。内製化を進めるなどコスト増要因を徹底排除する一方で、次の成長をにらむ一手を確実に整えてきたからだ。
■金型の標準設計
  「以前は『ユニオンの金型は高い』と言われるお客様もおられましたが、最近はあまり聞かなくなりましたね」。高田社長が嬉しそうに話す。「寸法を維持できるよう精密に作りこんでいますから金型そのものの値段は少々、高くなるかもしれない。しかし、他社製金型の寿命が10万ショットだとしたら、うちの金型は13万もつ。トータルの生産コストで捉えれば安価になるんです」(同)。
部品加工時の寸法公差はおよそ100分の2_。700℃以上の高温で溶解したアルミが、注入・冷却されてどの箇所で歪むかまで解析した上で金型をひねって、後工程の加工処理を不要にした金型もある。また、複数部品をドッキングした複雑形状の金型も得意とし、過去にはスライドが7つに孫スライドまで設けた金型まであった。
  他を圧倒する設計力は、早くから3次元CAD、CATIAや流動解析ソフトを導入したことに加え、累計3000型以上を製作してきたデータを有効活用してきたためだろう。その象徴と言えるのが、「金型部品の標準設計」だ。
 「金型は基本的には一品料理」と高田社長が言うように、金型業界では従来、職人が手作業で磨いたり削ったりしながら金型寸法の調整を独自に行い、部品同士がしっくりはまるポイントを探るものだった。
 しかし、「感覚に頼った金型では、部品の一つが壊れれば全て作り直さねばならず、ユーザーの生産ラインを長期にわたって止めてしまう」(同)という問題があった。そこでユニオンでは過去の設計データを生かして部品ごとに寸法と公差を定める―つまり「標準化」を進め、部品のみの交換がスムーズに行える体制を整えたというわけだ。
 カタログ化された複数の標準部品を組み合わせることで、複雑形状の設計スピードが上がる効果もある。目標は設計スピード半減。すでに3〜4割減まで達しており、高田社長は「設計半減が実現すれば納期が15%ほど縮む」と見る。さらに検査など全工程でCATIAを100%活用する取組みも進め、これによる納期短縮にも挑んでいる。
■海外に活路を 
 また、「当面は工場を持たない海外展開の術を探る」とする高田社長だが、その芽は既にある様子。標準設計の説明を受ける中、こんな話があった。取引先の一つ、アメリカにある川崎グループの農機エンジン部品メーカーでの事例だ。
 「鋳造中に金型部品が壊れたとするでしょう。その情報を受けたら即座に当社でその部品のグラファイト電極を削り、1週間後にはアメリカに電極が届く。あとは、メーカー側がそれを使って放電加工し、金型部品を再生すればいいだけ。入れ子部分の公差が決まっているので、現地でのはめ合いの調整は要りません。また、5番型まで納入していた場合、5番型のガイドピンなどが破損しても取り急ぎ4番型の部品と取り替えて使えば、生産ラインを止める必要も無くなる」(同)。メンテナンスが課題となりやすい金型の海外輸出に当たって、標準設計が大いに威力を発揮している。
 「自動車はじめモノづくりの海外流出は避けられない」。高田社長は自社の活路をこう話す。「標準化、そしてCATIAを核にした技術力でナンバーワンを目指し、海外市場でも顧客満足度で選ばれる企業を目指したい」。







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