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オヤジの社会学   2011年5月10日号掲載

ボトルネック

 先日、集団健診に行ってきた。受診するのはA〜Dの4科目。とくに問題がなければ診察時間はA科、B科、D科が約20秒、C科が約1分、合計はたったの2分である。ところが受付から終了までだいたい50分ほどかかった。そのほとんどは待ち時間なのである。
  見ているとA科、B科、D科の前には行列はできない。誰も並んでいない時もある。問題はC科に長蛇の列ができることで、これが時間のかかる原因であった。医師の配置は、A科、B科、D科が2名、C科が3名となっていた。
 昨年は「もしドラ」が130万部を売りベストセラーになったが、10年ほど前にやはりベストセラーになったマネジメント本で「ザ・ゴール」という本をご記憶だろうか。アメリカで出版された工場の生産管理に関する小説で、テーマは「ボトルネック」。
  ボトルネックとは、その名の通り瓶の細くなった首のことである。瓶の首が細くなっていないと中身をコップに注ぐ時にドバッと出て具合が悪い。瓶の首を細くして流量を制限しているわけである。
  ところが、生産プロセスの中にホンの小さな部分であっても意図しないボトルネックがあると、それ以外の場所の生産性をいくら改善しても、全体の生産性はボトルネックの流量によって制限されてしまう。日本語でもよく「そこがネックなんだよ」という。
 さて、C科の1人あたりの診察時間は1分で、ほかの科の3倍かかるわけだから、受診者の人の流れをスムーズにしようと思うなら医師の数はほかの科の3倍にしなければならない。つまり6人必要なところに3人しか配置しないから、当然、そこがボトルネックとなって長蛇の列ができたわけである。また、仮にC科の医師がどうしても3人しか手配できないならば、ほかの科の医師はその3分の1つまり1人いれば理論上、全体で50分かかるという結果は同じで、2人いる必要はない。人件費のムダである。
 C科での待ち時間を少なく見積もって20分として、300人受診したとすると6000分、即ち我々受診者の100時間もの貴重な時間がボトルネックによって失われた計算になる。



中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。


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