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オヤジの社会学   2011年8月25日号掲載

暗い東京の明るい月

   最近東京に行って驚いたのは、街がかなり暗くなっていることだ。
 筆者の住んでいる地方都市でも大震災以降、道路照明が落とされ、コンビニ店の照明が暗くなり、パチンコ店は輪番休業するようになった。
 けれど、こちらの夜はもともと暗い。夜の7時も過ぎれば人通りも少ないし、真っ暗だ。だから、暗くてもいつもとあまり変わらないのだが、あれほど明るかったあの夜の東京がここまで暗くなっているのか、と驚く。

 ビルの窓に灯っている明かりはまばら、看板やネオンサインも点いていないところがかなり多い。夜の運転が怖いと言っている高齢者もいるそうだが、さもありなん。
 エレベーターやエスカレーターの稼働台数、昼の時間帯の電車本数、オフィスの全体照明などもかなり間引きされている。大手事業所は電力消費量を15%以上削減しないと罰金100万円のペナルティが科される。削減目標を達成できなかった場合、会社名が公表されてイメージダウンになる怖れがあるので節電には真剣にならざるを得ない。東京のせいで東北に多大な迷惑をかけて申し訳ないという気持ちも強いだろう。

 東京に住んでいる人に聞くと、節電についてはプラス思考に捉えている人が案外多かった。全体照明なしでも支障はないし、むしろ手元の照明だけのほうが落ち着いた雰囲気になる、昼間の電車本数間引きは仕事にさほど影響しない、今までが明るすぎたりクーラーが効き過ぎたりしていただけで、これでいいのだ、などである。
 東京から住まいに帰って来て遠く東京方面上空を眺めた。震災前は真夜中だろうがいつもその辺りの空がボーッと白んで見えたものだが、いまは一様に暗い空が広がっている。膨大なエネルギー消費に支えられた現代の不夜城を確認することはできなくなった。
 夏が消え、空が澄めば、月の美しい季節。今度は東京の人が驚く番ではなかろうか。月はこんなに明るかったのか、と。



中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。


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