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挑む加工現場   2011年9月30日号


エネルギー・環境関連の新開発に全力
熱可塑CFRPなど最先端研究の主柱に

濱田プレス工藝 [薄板・大物金属プレス加工]
大阪府東大阪市

 濱田プレスモノづくりの町、東大阪。平成20年の工業統計調査によると同市の事業所数は6016と全国4位、工場密度は全国一位。航空宇宙産業から日用品までオンリーワン技術で全国、そして世界中にその名を轟かせる兵(つわもの)も数多い。だが、「円高や海外移転で、中小製造業は衰退の途上にある」。設立から63年、この地で育った濱田プレス工藝の田惠社長は事業環境の急速な悪化を憂う。
 ここ3年で東大阪の金属製品加工業者全体では3000社から1750社にまで減り、プレス専業者は600社から160社にまで激減した。従業員数約120名と比較的大規模な濱田プレス工藝も例外ではなく、「リーマンショックにより受注は3割減。そこからなかなか回復しない」のだという。
 難局打開に濱田社長が打ち出したのは「エネルギー、エコ、環境」に関わる新事業の創出だ。3年ほど前、「このテーマに死に物狂いで取り組め」と社内に発破をかけ、現在は太陽光の架台からLED照明、熱可塑CFRP加工など、数本の研究テーマが並走している。すでにLED照明では面発光できる自社開発の照明器具を9月に新発売した。一貫生産により群を抜く高品質と低コスト化が可能になったことで、2〜4年と短期で初期投資が回収できる点などが好評。自治体などでの引き合いも増えつつある。

■未知の技術に挑戦
 同社のキーテクノロジーは薄板金属の深絞り加工。エコキュートタンクや液晶テレビのバックカバーなど様々な製品を、金型設計製作からプレス、スポット溶接、塗装、組立、検査まで、自前で仕上られる一貫生産を強みとする。川崎重工やパナソニック、クボタなど大手と直取引できるのは、「図面一枚」、「3Dデータ一つ」で全てを任せられる技術が備わっているからだ。
 自社開発製品にも創業当初から取り組んでおり、ロック機構を備えた工具キャビネット(メリックスブランド)は全国の工場で採用されている。最近では自社開発の電子看板「デジタルサイネージ」が、ユニクロ・ローソンの店舗に採用されるなど、ICT端末でも田プレス工藝のブランド「hMd」が存在感を発揮し始めている。
 技術進化に懸ける情熱もひとしお。「他社にできないことをやってこそ、うちの存在価値がある」(濱田社長)と、妥協を一切許さない。サポイン事業として研究案が採択された熱可塑CFRP(炭素繊維複合プラスチック)では、未知の加工研究に挑んでいるところだ。
 「熱可塑CFRPは金属と異なり伸び縮みしない素材。プレス前に、温めて柔らかくする装置の開発一つとっても難題で、油で揚げてみては?…とやってみたものの、変色して失敗した」(濱田社長)。加工法確立への道のりは険しいが、「熱可塑CFRPは次世代のエコ素材。リサイクルまで可能な仕組みをサポイン事業で構築し、全国の中小加工業者に広めたい」と、意気盛んだ。
 そのほかにも、某大手企業から金型技術を請われ、あるプロジェクトに参加している。こうした新技術開発はすぐに利益が出せるものではないが、「先を見据えれば不可欠の取組みだ」と濱田社長は言う。
 「うちは従業員の65%が32歳以下。未来ある彼らが30年、40年先も隆々とやっていける企業の基盤を作ることが経営者としての私の最後の仕事です」(濱田社長)。エネルギー・環境・エコ―と、人類普遍のテーマ解決に貢献できる道を拓いていきたいのだという。







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