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挑む加工現場   2012年03月30日号


プレス工程を大幅短縮する金型を開発
ユーザーメリット最大化する、独創技術磨
小西金型工学 [プレス金型設計製作]
東大阪市

 日本の金型生産金額はピーク時の約半分となる1兆円強(09年)にまで減り、生き残った金型事業者の多くは部品加工を生業の主に置くようになった。そんな中、金型専業ならではの底力で日本の屋台骨をしっかと支える企業がある。
 小西金型工学(東大阪市)は独自の金型設計で、「工程を縮めたいならここに頼め」の評を確かにしてきた企業だ。今年2月には「異方向で動作する独創的なカム方式構造をもつ工程短縮金型」で、小西智實雄社長がものづくり日本大賞の優秀賞を受賞した。
 受賞作は2トン級の大型の金型で、デスク関連の加工向け。100分の1_b単位の精度をクリアしつつ1工程で3辺の複雑な曲げ加工を実現し、通常は6工程を要する加工を1工程にまで短縮した。作業時間は10分の1。プレス機械台数も大幅に削減できた。ユーザー企業の巨大なメリットは推して知るべし。
 「中国が半分のコストで金型を作るなら、こっちは設計の工夫で製品の製造工程自体を半分、3分の1に縮めてやればいい。しかもうちの金型は、極端に言えば一生持ちます。焼入れがしっかりしているし、型の作り方が違いますから」(小西社長)
 今までに設計した金型はデジタル家電から家具、自動車部品と幅広い分野にわたり、その数1万点にも上る。その全ての図面を紙とデータで残し、数十年前に納めた型のメンテにも即応する。破損しやすい箇所は予めブロック化されており、万一の不具合発生時にはその箇所を修正するだけ。メンテのスピーディさも海外企業ができにくい、信頼を確かにするカナメだ。

■見よう見まねで技術を体得する
 同社での金型設計はまず、小西社長がスケッチで金型をデザインし、それを元に社員がCAD図面を製作するというユニークな形を採る。スケッチには設計アイデアが詰め込まれており、これを読み込むことで「設計の軸が育つ」のだという。
 ただ、「加工は図面で意図した通りにはいかない」とも。「プレスした瞬間に鋼材がそれぞれどう変形するのか、金型にどんな負荷がかかるのか―知り尽くした上でちょっとした技を加えてやるのがコツです」(同)
 試行錯誤を繰り返して体得した技は最新の加工シミュレーション技術を上回ると言い、20代〜60代までいる弟子たちにも体当たりの学びを求める。「振り返れば自分の技術が最も伸びたのは無給で働いた最初の3年。天才的と思える師匠が3人おり、見よう見まねで学んだ」(同)。今でも興味を持つものが目の前にあれば機械から人、仏像に至るまで、なんでも形や構造を頭に叩き込み、スケッチや手彫りなどで再現する。留まるところを知らない探究心が、技能を磨く源泉になっているようだ。

■金型・東大阪ブランドを
 リーマンショック以来、同業他社の廃業が続く一方で、小西金型工学への金型設計依頼はこのところ増加している。後継者である小西修史部長によると、「工程短縮を求める大手企業との共同開発案件が急増しており、試作から量産提案までサポートして欲しいとの要望も増えた」。
 案件にはハイレベルな課題が多いが、「できないと言われると、逆に『やってやろうじゃないか』と燃え立つ」と小西部長。金型に懸ける熱さは父親譲りだ。
 「いずれは東大阪の金型ブランドを創り、大手企業と対等に意見交換できる存在へ成長していきたい」(小西部長)。その素地を育てるため、近畿大学、大阪大学など地元大学と連携し、品質管理や技術、加工学にかかわる研究会・学会活動を地元に広げている。







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