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オヤジの社会学  2012年03月30日号掲載

男の引き出し

 大選手、名選手といわれるプレーヤーは皆、自分の型をもっているものだ。しかし、型をもっているということは、相手が誰であろうがまったく同じように対応するということではない。振り子打法と呼ばれるイチロー選手が以前、こんなことをいっていた。
 「いかに引き出しをたくさんもっているかが勝負。そうすれば、相手が誰だろうが、どんな状況だろうがあわてずに対応できる」。
 投手によってタイミングの取り方を変えたり、試合の状況に応じて狙い球を変えたり、自分の体調を考慮してバットのもち方を変えたり。今シーズンのイチロー選手は振り子打法返上で右足を上げないという。
 型とは、むしろそうした変幻自在なものの中に存在するのだ。そして、そうしたいろいろな状況への柔軟な対応力をイチロー選手は「引き出し」と表現したのであろう。
 かつて週刊誌編集者が引き出しに潜ませているといわれていたのは「噂の眞相」という雑誌である。もう休刊してから随分たつが、さまざまなタブーに挑戦した確信犯的月刊誌であった。危なっかしい記事や未確認情報も数多く掲載されたため、訴訟沙汰や右翼の攻撃に絶えず曝された。ベタ記事をそのまま鵜呑みにできないとはいうものの、毎週ネタ探しに追われる編集者にとってはネタの宝庫、宝の山だったのである。締め切りに窮して引き出しを引くと、そこにはそっと「噂の眞相」が入っていたのである。
 昔知っていた東京のとある建設会社では、夕方の5時を過ぎると男たちは机に座って仕事をしながらちびちびと酒を飲み始める。そうこうするうちにだんだんとメートルが上がってきて皆で卓を囲んで飲み始める。そんなこんなするうちにどんどんと飲むピッチが上がって瓶が空になる。そうすると出るわ、出るわ、男たちが各自の引き出しから持ち寄った酒瓶を並べるとさながら酒場の棚ようにズラリ。まあ、眉をひそめる方もおいでとは思うが、それはそれで豪快な社風というものが表れていて頼もしかったのを覚えている。
 引き出し、それは男の懐か。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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