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オヤジの社会学  2012年04月10日号掲載

大人の切符

 新年度である。学校は新入生を迎えて新学期が始まり、会社には新入社員が入ってくる。各チーム新体制のもと新戦力を補強したプロ野球も新しいシーズンが開幕した。
 街では、流行りの黒いタイトなスーツに身を包んだ若者たちが通勤電車に揺られ会社に出勤していることだろう。新入社員は、着こなしがいかにもスーツを着慣れていない感じがする。髪型も学生気分が抜けず、ボサボサだったりするので、見た目ですぐにそれと分かる。彼らを街で見かけると初々しく、微笑ましいし、とても張り切っているように見える。
 これから長く、決して楽しいことばかりではない社会人としての生活が始まるわけだが、世間の荒波に負けずにいつまでもフレッシュな気持ちをもち続けてほしいと思う。
 1日に久しぶりに息子と電車で出かけた。彼は今度中学に入る。春休みだし、卒業・入学祝いを兼ねて何か買い物でもしようというわけだ。
 改札の手前で切符を買おうとすると、自分はきょうから大人だという。まだ中学の入学式も終えていないが、たしかに公共交通機関の運賃ということについていうと、彼はきょうから大人なのだと気づいた。
 べつに、きのうから何が変わったというわけでもないのに運賃が2倍になるのは、お金を出すほうにしてみればなんだか損をしたような気分である。神様でなければ分かりっこないから、まだしばらくはこどもの切符を買えばいいのではないかという良からぬ考えも頭をかすめるが、当の本人はやけに誇らしげな顔をして、ご満悦である。仕方なく、券売機で押し慣れた大人が赤いこどもをひとり連れた絵のついているボタンではなく、大人2人のまとめ買いボタンを押した。
 「そうか、きょうから大人か」とややしみじみといいながら息子に大人の切符を渡すと、彼は「うん、ドリンク・バーのカップもちっちゃなやつじゃなくなる」とうれしそうにいった。まだ、まるっきりこどもである。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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