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オヤジの社会学  2012年04月25日号掲載

文豪を気取る

 oyaji嫌煙の時代に逆行するようだが、最近パイプにはまっている。
 引き出しを整理していたら、むかし買ったパイプが出てきた。たしか30歳ぐらいのとき粋がって購入したものだ。その時にはどうもパイプと仲良くできなかった覚えがある。口の中と喉がいがらっぽくなるばかりで、そのうちに火が消えてしまった。かれこれ20年も引き出しに眠っていたことになる。パイプ用の葉など持っていないので、手持ちの紙巻きたばこを2本破き、葉っぱをパイプに詰めて久々に火を点けてみた。
 よく火を点けたらいったん放っておき、ダンパーと呼ばれる器具で灰を上から軽く押さえて葉を詰め直し、再度火を点けるのがパイプの流儀である。が、ダンパーも見当たらないので、折れた木製のゴルフのティーを代用することにした。ボールを載せるお皿のところで灰を押さえる。
 パイプは紙巻きたばこのようには吸わない。再度火を点けてからは、パイプをくわえていればいい。吸うというよりは息をする感じ。多少は吸い込むわけだけれど、気分としては小さな焚き火をするが如く煙と遊ぶ。煙を「燻(くゆ)らす」というが、まさにそれである。そうして火が消えかかった状態を維持する。「燻」は「くすぶ」るとも読むけれど、ここがなかなか難しく、おもしろいところなのである。
 うまく葉っぱを燃やすと紙巻きたばこ2本分の葉で1時間近く保つ。煙は紙巻きのようには熱くない。低温である。のんびり、ゆっくりと燃焼させる。途中で消えても気にせず、ティーで軽く押さえては、また火を点ける。紙を燃やさないと味も違う。パイプ特有の甘い香りを時間を惜しまず、心ゆくまで堪能する。
 むかし読んだ本を歳を重ねてから読んで、前とは全く違った味わいを発見することがあるけれど、この歳になってパイプと仲良くなれたのが何とはなしにうれしい。さすがに、どこか外の店で火を点ける勇気はなく、もっぱら家で燻らしている。ちょっと文豪を気取って。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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