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挑む加工現場   2012年05月25日号


日中韓米でネットワーク構築
「知」の利を活かす工場づくり
山陽精機[ダイカスト/樹脂金型製作]
岡山県真庭市

 鳥取県との境に位置する岡山県真庭市。「蒜山(ひるぜん)三座」と呼ばれる標高1000b級の山々に囲まれ、冬の間、氷点下が続くことも少なくない。この林業と農業が中心の牧歌的な町で、多忙を極めているのが山陽精機だ。1982年の創業から一貫して金型製作に取り組み、現在では自動車メーカーや電子機器メーカーに毎月20台前後(今年4月実績)を出荷する。
 冒頭挙げたように、地理条件から言えば真庭市は恵まれた土地ではない。日中と夜間の気温差は加工精度に影響を与えるし、輸送距離の長さはコスト増加に直結しかねないからだ。しかし、行本充宏社長は「厳しい環境に置かれてこそ、たくさん知恵が湧いてくる」と話す。

■アナログで寒暖差対策
 本社工場に入って、すぐ目に飛び込んでくるダクトの数々。蛇腹のように曲がりくねったもの、直管で整然と連結しているもの、すべてが工作機械の排気口につながっている。これが山間部で生き残る知恵の一つで、稼動時に発生する熱を屋外に逃がす役割を果たす。
 寒ければ、ダクトを機械から離して屋内に放出。手動で向きが変えられるつくりは、制御技術が発達した現代ではアナログ的に見える。導入効果について、「気体と壁面のぶつけ方次第で、氷点下や真夏日でも28度前後に設定できる」(行本社長)そうで、温度記録紙もほぼ一定の横線を描いていた。
 工場の片隅に置かれたパッケージエアコンの出番は少なくなり、電気代が減った。温度管理システムとして特許申請しており、今年度内にも販売会社を立ち上げ、商社と連携しながら提案活動をスタートさせるという。
 寒暖の差は、水溶性切削油の温度管理にも気を使う。「タンクに温度計を取り付け、室温と同じになるように水を混ぜていく。これだけで精度が0.001mm変わる」。独自のやり方にこだわる姿勢は、そのまま生産体制の構築にも直結する。

■データ活用で距離埋める
 主な金型の製作対象品は、▽ドアハンドル▽スピーカーグリル▽ウォッシャタンク▽スピードメーター▽ランプレンズ▽ハンドル芯金―といった自動車部品。工程ごとに部位検査と微調整を繰り返すことで、創業以来の「無修正組立」を徹底している。
 生産拠点は、本社工場のほか、中国・天津市西青区、韓国・ソウルに2カ所設けている。自動車メーカーの海外進出が急増しているためで、17年前、顧客先が多いアメリカ・シカゴに販売・修理・メンテナンス拠点を立ち上げたことから始まった。
設備とマンパワーの異なる工場で、どうやって無修正組立を実現するのか。本社工場から3km離れたオフィス兼設計室に答えがあった。
 「CAD/CAM、材料、切削条件といった金型の設計構想に関わるデータは、日本や韓国から各工場へ飛ばしている。中国現地で設計する場合も、加工に入る前に一旦本社で確認。ポイントを押さえることで修正しやすくした」。
 中国では日系企業の受注量を増やす一方、中国ローカル企業の占める割合が3割に。2011年度の売上額はリーマン・ショック前の実績を優に超えた。「今年1月、メキシコのモンテレーに営業所を開設した。メキシコは北米・南米向けの輸出拠点として需要も大きい。温度管理システムと合わせて、顧客の要望に応える活動を展開していきたい」。行本社長の夢は広がるばかりだ。







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