サイト内検索 WWW を検索

オヤジの社会学  2012年05月25日号掲載

所有とシェアのコスト

 東京から地方に移住してにわか百姓を始めて8年目になるが、いまだになぜなのかよくわからないのが、レンタカーや建設機械のリースがあるのにどうして耕耘機やトラクター、田植機などの農機を手頃な値段で貸してくれるところがないのだろうということである。
 田んぼを何町歩もやっているような大規模な農家ならば高価な農機を自前で購入しても何とか元もとれるだろうが、せいぜい何反という規模の兼業あるいは自家農家は何百万円もする農機を買ってもなかなか元がとれまいと思うのだが、しかし、どの家もなぜだかそれぞれに年に1回しか使わないような高価な農機を所有している。
 いや、それは素人考えで、農繁期というものは重なるものだから、農機をレンタルに頼っていたのでは時季を逃すリスクがあるし、レンタル会社にしてみれば需要が一時期に集中するので大して儲からないのだ、といわれるかも知れない。
 たしかにその通りで、近所の田んぼはどこもほとんど同時に田植えをし、ほとんど同時に稲刈りをする。仮に7軒の農家があって、皆が田植機を借りるとなるとレンタル会社が田植機を7台用意しなければ皆に貸し出すことはできない。これでは1軒に1台所有しているのと同じことだ。だが、田植えをせめて各戸1日ずつずらして7日間にわたって行えば、田植機は1台で済み、レンタル会社は1台を7回貸し出すことができる。
 今年、近所の田んぼでは3軒が米づくりをやめてしまった。ここのところ毎年のように1枚、また1枚と田んぼが減っていく。理由は身体がきつくなった、足が痛いなど高齢によるものである。一方では、自分の老い先を考えると新型の農機に更新する気になれないという事情もあるだろう。
 しかし、もしレンタカー並みの料金でトラクターやコンバインを貸してくれるところがあれば、彼らはあと数年、丹誠込めてつくってきた先祖伝来の田んぼで好きな米づくりを続けることができるのではないかとも思うのである。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





この一枚EMOハノーバー2013

鯉のぼり333+1


JIMTOF2012に12万8674人

動き出す スマート社会

クルマはいまや「変化のシンボル」

国際太陽電池展から

希少な大型太鼓、古都奈良で公開

圧倒するロボットパワー

大阪ロボット産業PR大使 初舞台





コ ラ ム

柝声(たくせい)
13年10月25日号

過去の記事

挑む加工現場


オヤジの社会学


ビルダー最前線


映画の中の生産機械


特集
2013年10月25日号

8〜11面
山善名古屋支社竣工
17〜19面
2013年国際ロボット展