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オヤジの社会学  2012年07月10日号掲載

雨の日

 oyaji雨の季節。子どもを車で学校へ送る機会が多くなる。晴れていれば、小学生なら歩いていけ、中学生なら自転車でいけということになるのであるが、雨が降ると子どもたちのほうも心得ていて、なんだかんだいってグズグズと家を出渋っている。そうこうするうちに車で送るはめになる。
 雨が強く降っていればそれも仕方がないけれど、少々の雨なら傘をさしてピチピチチャプチャプランランランと歩いていくのはなかなか乙なのではないかと思うが、子どものほうはどうもそんなふうには考えないらしい。
 こうした雨の日事情はどこの家庭も同じらしく、この前の雨の日の朝などは送りの車がたくさん来るものだから中学校の前の細い道が大渋滞して、スクールバスがにっちもさっちもいかず立往生している。
 「雨の日はうっとうしいな」と何の気なしにいったら「なんで」と後ろの座席の中学生がいう。だって、じめじめしてるし、雨で服が濡れてべたべたするし、蒸し暑いし、車は動かないしというと、「そう? 雨の日はわりと好き」と歳に似ず乙なことをいう。なんで、と今度はこっちが聞き返した。
 いわく、雨が降っていて、教室や講堂が暗くて、そこにぼーっと蛍光灯の電気が点いているのがなんとなくほっとするというか、安心できるのだそうな。
 車で送ってもらえるから好きとでもいうのかと思っていたこちらにしてみると、ちょっと意外な、そして深遠な答えが返ってきた。
 車のCDはここのところ調子が悪く、CDを取り出すことができないのでずっと山下達郎がかかっている。その時たまたま「レイニー・デイ」という雨の曲がかかった。雨だれのようなピアノの入ったしっとりとした小曲である。あの日もたしか雨降りだったと遠い昔の恋を想う。
 雨の日はうっとうしいなと今いったばかりの当の本人ではあるが、中学生にそういわれ、雨の車の中でヤマタツを聴いていると、うん、たしかに雨の日も悪くない。立往生しているバスのお尻をワイパー越しに眺めながらそんなふうに思えるのだった。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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