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オヤジの社会学  2012年08月25日号掲載

扇風機

oyaji 家に古い扇風機がある。以前、親戚が住んでいた家に一時引っ越したことがあり、そこに残されていたものを引き継いで使っている。おそらく三、四十年前のものと思われる。最近購入した軽量で安い扇風機は羽根が砕けたり、脚の部分が折れたりしてすぐに壊れて使えなくなってしまったが、この古くてどっしり重たい扇風機はなかなか壊れないのである。
 いったいいつ頃製造されたものなのか気になって扇風機の歴史を調べてみた。
 今から百年以上前の明治26(1893)年にアメリカのウェスティングハウス社が世界初の扇風機を開発した。プロペラのような金属製の細い羽根が4枚ついていたようだ。翌年には早くも国産第1号機が発売される。当時はまだ電気が珍しい時代で、扇風機のスイッチを入れると同時に白熱電球が点灯したという。扇風機付き照明器具あるいは照明付き扇風機だ。今思えばなんとなくユーモラスな作品である。
 昭和に入って、現在使われている幅広羽根の原形が登場する。戦後はカラー化が始まり、それまでの黒一色から若葉色などが登場。27年に羽根に初めてプラスチックが採用され、35年に透明羽根が開発された。扇風機は一段とカラフルで涼しげな外観になっていく。
 43年に押ボタンに代わる電子スイッチが、45年におやすみタイマーが搭載される。我が家の扇風機は透明羽根で押ボタン式、タイマーはついていないので、たぶん30年代後半から40年代初頭にかけて製造されたものだろう。
 背丈が低く、畳に座ってちょうどいい高さのわりには、モーターが重く頭でっかちなのでよく倒れるが、重電メーカー製だけあってつくりは頑丈でパワーがある。40年間壊れないということは、40年間ゴミにならないのだから、省エネなど環境を売りにしながらすぐに壊れる最近の家電製品に比べて環境性能は素晴らしい。何よりも、その時代の日本のモノづくりの確かさを物語っている。
 今どきこんな名機をつくってもメーカーはきっと儲からないのだろう。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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