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挑む加工現場   2012年10月25日号


「来るもの拒まず」大物の短期加工
新金属材で新たな顧客開拓へ
川本重工[大型部品の切削加工・組立]
神奈川県横須賀市

 微かにかすむ工場内にガスタービンやポンプ、トンネル掘削機の部品など人の背丈を超えるモノがごろごろ転がっている。それを取り囲むように立旋盤や5軸ヘッド付5面加工機、横中ぐり盤など大型機15台ほどが壁沿いに並ぶ。
 兵庫、神奈川に計4つの工場をもち、いずれも大物加工・組立、現地工事を手がける川本重工(1948年創立、従業員105人)。29人が働く横須賀工場を訪ねた。天井近くまで伸びる設備は新旧が入り交じるが、従業員には若手が目立つ。
 「人材は当社の楽しみの1つでね、従業員の平均年齢は37歳。不景気でも毎年人を採ってきたから」
 2代目社長の川本忠博氏はそう話す。ここ横須賀工場では毎年2人ずつ採用。熟練者が若手にじっくり教え込める体制を整え、工場全体の技能レベルを高く保つ。高齢者の退職で起こりがちな技能継承問題とは無縁だ。従業員に親子やきょうだい、友人が多いのも特徴で、「当社には魅力があり過ぎるのかな」と川本社長は笑う。

■2割の余力で特急対応
 主な取引先は重電メーカーで、依頼に応じて設計段階から携わり、部品の各スペックを熟知した上で機械加工に着手する。加工工期は早くて5日、4カ月という超大型もあるが、昼夜勤シフトによる1日20時間稼働でリードタイムが短いのが強みになっている。日常的な仕事は生産能力の8割で賄い、2割の余力で突発的な仕事や特急対応をこなし「来るもの拒まず」を心がけているという。
 近隣の製缶溶接メーカー、材料メーカーと連携し、材料調達から完成品まで一貫して引き受ける。工場長の山田繁雄氏は「協力メーカーとの役割分担がうまくできている。当社はほとんど営業しないのに機械稼働率が高いのは、当社と協力企業の営業マンの数だけ営業担当者がいることになるから。景気が悪くなるほどこのスタイルが効いてくる」と言う。
 阪神工業地帯の中心地、神戸市で創立。造船所や製鋼所などから鉄道や船、軍需品を受注し、その後関東からの注文の増加に伴い1969年に横須賀工場を設けた。脱原発の流れでその分野の仕事は減るが、替わってガス・蒸気タービンや風力発電の仕事が増えている。

■マグネ合金や純チタン開発
 目指すはオンリーワンだ。山田工場長は「東日本大震災の際、部品1つがないために完成品が出荷できないケースがあった。そのような部品をつくる会社になりたい。カワモトでないと、という部品を増やすことで生き残れる」と見る。
 独自性は新素材でも開花しようとしている。一般品の約2倍の強度をもつマグネシウム合金を電気通信大学との連携でこのほど開発。高強度と軽さ(比重約1.8)から空撮用保持装置や高級自転車部品などに採用が広がり始めた。同様に約3倍の強度をもつ純チタン(耐食性に優れる)も今月開発。強度を一気に高めたこれらの金属は高速移動するロボットやエコカー、インプラントなどに使え、「ありとあらゆる業種で使われる可能性があり、ターゲットを定めづらい」と川本社長の期待は大きい。







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