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オヤジの社会学  2012年10月25日号掲載

ナメラー

 秋の行楽シーズンである。全国各地の行楽地も人出で賑わっていることだろう。
 普段からよく口にするという人ももちろんいるだろうが、行楽地に行くとなぜだか無性に食べたくなるのがソフトクリームである。辛党、甘党両刀使いの筆者も時折、オッサンの恥も外聞もかなぐり捨ててソフトクリームを食べる。食べるというよりも、ソフトクリームはやはり・なめる・ものだろう。甘くておいしい味を堪能するということはあるにせよ、ソフトクリームの醍醐味はなめることにある。これほど心ゆくまでなめ尽くすことのできるものがほかにあるか。
 はっきりした根拠はないが、原始人は現代人よりももっとものをなめていた、という気がする。なめるという行為は、傍から見ていてお世辞にもお上品とはいえない。どこかはしたないというか、卑猥というか、人がソフトクリームをなめている姿は正視できないようなところがある。テーブルマナーや礼儀作法がやかましく、現代人はなかなか心ゆくまでなめることが許されない。
 ところがである。行楽地のソフトクリームだけは、なぜかそれが特別に許されているのである。だから、人は行楽地に行くとソフトクリームを食べる、いや、なめるのがうれしくてしょうがない。
 ソフトクリームを右へ回し、左へ回し、ためつすがめつ見ては、人前を気にせず舌をベロッと出してなめ回す。この解放感。こんなことができるのは行楽地のソフトクリームをおいて他にない。ソフトクリームは上品に食べてはいけない、下品であるべきなのだ。だからソフトクリームはカップからスプーンですくって食べたのでは台無しだ。コーンでなければならぬ。なめ尽くした後には、サクッという軽やかな・かじり・ が待っていて、それがまた心地よくナメラーを束の間の非日常から日常 へと連れ戻してくれる。
 机の向こうで「お主、また新聞で下らんことを書いておるな」と一瞥をくれて、飼い猫が毛繕いを始め、体中を気持ちよさそうになめ回している。猫はいいよなあ。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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