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挑む加工現場   2012年11月10日号


「JISQ9100」どう活かす
誰でも削れる作業手順書を
古谷鉄工所[精密部品加工/航空機部品]
大阪府門真市

 「航空機産業は周りが思っている以上に繊細だ」。古谷鉄工所(1951年創業/従業員数8名)の西川信之専務は、分厚いファイルを片手にそう苦笑いする。挟まれた数百頁におよぶ書類には、昨年3月に取得した航空宇宙品質マネジメントシステム(JISQ9100)に関する管理規定が細かく書かれている。
 ○○○○の要求事項に準ずるとの文言が至るところに飛び交う。部品納入に必ずと言っていいほど求められる、標準工程、NCプログラム管理、製品検査などの文書化。経験則に頼る感覚的な管理では許されない緻密さを物語っている。
 例えば、丸棒から筒状に削ったとき、使ったホルダーは何か。加工時間はどれくらいか。カッター径、回転数、送り速度などもツーリングシートに作成。できるかぎりの情報を詰め込む。図面には振れ精度も記入する。万事が一定の型にはめる必要がある分、「FAI(初回品検査)で合格すれば、後は作成した作業手順書を見ながら誰もが削れるようになる」。膨大な書類が生命線というわけだ。
 新規参入から4年。航空機部品は全体の売上比率から見れば1割にも満たない。主力はあくまで、モーター、造船、ポンプなどの精密部品だが、西川専務は「(航空機は)部品一つだけで何年も、何十年も続く可能性がある」と息の長さから活路を見出す。

■大手脚部メーカーと二人三脚で
 現在取り組んでいるのは、航空機胴体と車輪を結ぶ脚部の部品加工。参入当初は大手脚部メーカーOBの技術指導を毎週受けながら、ワークの保持方法から作業手順書の作成、管理面まで叩き込まれた。
 初めて手がけた部品は、ビジネスジェットに組み込むステンレス系の複合材料。ツーリングからチップまで一から揃え直し、治具もワンチャッキングで複数工程に対応できるよう設計した。工具と追加設備の投資額は数千万円に達している。
 「正直、資金の回収効率は恐ろしく悪い。甘くはなかった。加工にあたってはトライ&エラーが基本だが、OB技術者の的確な指導から視野が拓けることも多い。得た情報は文字に起こし、オペレーター全員で共有。管理方法の確立だけでなく、加工法に対する見方が変わっただけでも収穫は大きい」

■工程管理の平面展開へ
 取材中、ある新規の物件の部品図面を中心に頭を突き合せている場面を見かけた。西川専務によると、「新しい案件が舞い込んできたときには、とくにミーティング時間を多くとるようにしている」という。当面の目標は、JISQ9100で得た工程管理の平面展開。現場の口頭レベルで済ませず、文字による加工ノウハウの見える化を目指す。航空機以外の部品加工でも作業手順を作成し、誰でも作れるような仕組みを思い描いている。
 西川専務は、不況時に参入に踏み切った経緯を熱く織り交ぜながら、「航空機市場の拡大で『JISQ9100=安定したものづくり』というイメージが定着してきた。お客様の要求事項を会社として守り、苦労して得た国際規格を活かさない手はない」と展望を語った。







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