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オヤジの社会学  2013年2月25日号掲載

頑固者と失敗学

 何事にも失敗はつきものである。「失敗は成功の元」といわれるくらいで、失敗を怖れるようでは何事もなし得ない。「失敗学」なる学問もある。失敗を否定するのではなく、その後に活かそうということである。世間の常識、教訓などもその多くは先人たちの失敗に基づくものである。世間の常識や教訓を知れば、失敗を未然に防ぐことができる。先人たちと同じ轍を踏まずに済む。失敗学の狙いもそこにある。
 しかし、人間というものは愚かなもので、世間の常識から外れていたり、周りの人間がやめたほうがいいといったりしても、どうしてもやらずにはおれないことがあったりするものだ。それはおのれに対する過信、うぬぼれ、あるいは世間知らず、エゴなどがそうさせるのである。周りの者がいくらいっても聞かないのだから、いわば頑固者である。
 頑に固いと書いて頑固者である。では、頑固者はどうしてそこまで頑に固くなるのだろう。
 世間の常識や教訓を固く守ろうとする者をふつうは頑固者とはいわない。自分の信条、自分なりの方法にこだわり、それを頑に貫こうとする者を頑固者と呼ぶ。
 世間の常識や教訓を疑わず、素直に耳を傾ける人は、失敗や社会的な軋轢というものを回避して、上手に世間を渡っていくことができそうだ。常識を疑い、先人たちの失敗に学ぼうとしない頑固者は若いうちから結局、失敗ばかりすることになる。失敗を重ね、あちらで叩かれ、こちらで傷を負う。その経験が人を頑に固くする。頑固者の固さとは苦い失敗経験の多さに他ならない。この経験知というものは、深く、重く、固い。人が程度の差こそあれ、歳を重ねると頑固になるのは、この失敗経験知の積み重ねによるものだろう。
 したがって、失敗学を大いに活用して、できる限り失敗を回避してスマートに生きるという生き方は、頑固者から見るとちょっと虫がよすぎるのである。頑固者にとって失敗学とは経験知あるいは暗黙知に他ならないのだが、今いった失敗学は言葉で表現できる形式知に過ぎないからである。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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