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オヤジの社会学  2013年3月10日号掲載

ロードムービー

 3月は卒業シーズン。会うは別れのはじまり、サヨナラだけが人生さ、などというが、別れがあって新たな出会いがあるのもまた、人生だ。そんな人生の節目にあたっては、旅に出るのも一興。ひとり旅よし、ふたり旅よし、家族や仲間との旅もまたよしで、人生の節目の旅は一生の思い出になるものだ。
 とはいえ、新生活の準備など春は何かと忙しい。離ればなれになる仲間とスケジュールが合わないこともある。旅に出かけるのが難しいなら、ロードムービーを見るのはどうだろう。
 ロードムービーは、どこかへの旅の途中で起こるいろいろな出来事や、道中で出会う人々の人間模様を綴って描く。文学でいえば道中物で、映画の世界でもひとつのジャンルとして確立されている。見終わったあと、実際に旅したような気分に浸れるのがいい。
 古くはデニス・ホッパーとピーター・フォンダがチョッパーのハーレー・ダビッドソンに跨がってアメリカを旅する「イージー・ライダー」(68年)。邦画では、武田鉄矢、桃井かおり、高倉健が真っ赤なファミリアで北海道を旅する「幸福の黄色いハンカチ」(77年)。旅を通じて子どもたちの固い絆を描いた「スタンド・ バイ・ミー」(86年)では、少年4人が30km先の森の奥まで線路伝いに歩いて冒険の旅に出る。ロードムービーの傑作は挙げればきりがない。
 最近、知人からDVDを借りてよかったのはデヴィッド・リンチ監督の「ストレイト・ストーリー」(99年)。アメリカの片田舎に住む足の悪い73歳の老人が、長く絶縁していた兄が病に倒れたことを知り、時速8`の庭の芝刈り機に乗って500`離れた兄に会いにいく。主演のリチャード・ファーンズワースもさることながらラスト2分しか登場しないが、オンボロの芝刈り機に一瞥くれて、弟の過酷な旅と兄弟愛を一瞬の表情で悟る好演の兄役は、やはりロードムービーの異色作「パリ、テキサス」(84年)で主演のハリー・ディーン・スタントンであった。
 老いも若きも旅に出よ、でなければロードムービーを。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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